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三重県の農地転用|申請先と29市町の件数

三重県の農地転用の申請先は、その農地がある市町の農業委員会です。県庁ではありません。ただし許可を出すのは19の指定市町村・志摩市(2ha以下)・三重県知事の3通りに分かれます。県知事許可の標準処理期間は農地法4条・5条とも60日です。県内では令和5年に許可2,012件・届出804件の計2,816件が行われました。

農地を農地以外のものにするには、農地法の許可が要ります。
自分の農地を自分で転用するなら4条、転用するために売ったり貸したりするなら5条です(農地法第4条第1項・第5条第1項)。

このページには、三重県だから違うことだけを書いています。


  1. 三重県では年間何件の農地転用がありますか?
  2. 申請先はどこですか?
    1. ★ところが、許可を出す人は市町ごとに違います
  3. 標準処理期間は何日ですか?
    1. ★そして、この日数の手前にもう1つ期間があります
    2. 実際の日数を決めるのは「総会に間に合うかどうか」です
  4. 手数料はいくらかかりますか?
  5. 市街化区域なら、許可ではなく届出です
    1. ★三重県で市街化区域があるのは11市町だけです
  6. 29市町別の件数(令和5年)
  7. 市町別のページ
    1. ★22市町を横に並べると、締切も期間もこれだけ違います
    2. ★「締切から会議まで」がぶれる市町と、ぶれない市町があります
    3. 🔴 総会が毎月開かれるとは限りません
    4. ★市街化区域があるかどうかで、選べる手続きが変わります
  8. 🔴 申請書を出すより前に、工程があります
  9. 🔴 工事を請け負った側にも、原状回復の命令が届きます
  10. 🔴 30アールを超えると、工程が1段増えます
    1. ★市町の日程表に出てくる、あの会議のことです
    2. そして、法律上の期限も倍になります
  11. 🔴 この統計の読み方(そのまま使えない数字があります)
    1. ① 伊勢市の令和5年は、5条が計上されていません
    2. ② 津市と朝日町は、市街化区域があるのに届出の計上がありません
    3. ③ したがって、県全体の2,816件は「下限」として読むのが安全です
  12. 許可が下りたら終わりですか?
  13. 許可されない農地があります
    1. 三重県が示している面積の目安
  14. 無断で転用するとどうなりますか?
  15. 建設業をしている方へ(農地は身近です)
  16. 三重県で農地転用に対応している行政書士事務所
  17. よくある質問

三重県では年間何件の農地転用がありますか?

令和5年は 2,816件です。 内訳は許可2,012件と、市街化区域内の届出804件。

区分 件数 中身
農地法4条 許可 172 自分の農地を自分で転用する(自己転用)
農地法5条 許可 1,840 転用を目的に売買・貸借する。件数の9割がこちら
許可の小計 2,012 —
市街化区域内の届出 804 許可ではなく届出で足りる
合計 2,816 —

出典は農林水産省「農地の権利移動・借賃等調査」確報 第7編 市町村別編(令和5年)です。
29市町の合計が、同じ調査の都道府県別の値と1件のズレもなく一致することを確認しています。 推計や按分は使っていません。

参考までに令和4年は2,915件(許可2,001件・届出914件)でした。


申請先はどこですか?

その農地がある市町の農業委員会です。

農地法は、許可の申請書を「農業委員会を経由して」都道府県知事等に提出すると定めています(農地法第4条第2項。5条にも第5条第3項で準用)。
書類を持って行く先は、どの市町でも農業委員会です。三重県庁ではありません。

★ところが、許可を出す人は市町ごとに違います

ここが三重県で最も間違えやすいところです。

三重県は農地転用の許可権限を市町へ大きく移しており、県内で3通りに分かれます(令和5年4月1日現在)。

許可を出すのは 市町 数
その市町(指定市町村) 津市、四日市市、伊勢市、松阪市、桑名市、鈴鹿市、名張市、亀山市、鳥羽市、伊賀市、東員町、朝日町、多気町、明和町、大台町、玉城町、度会町、大紀町、南伊勢町 19
その市町(2ha以下のみ) 志摩市(2haを超えると三重県) 1
三重県 尾鷲市、熊野市、いなべ市、木曽岬町、菰野町、川越町、紀北町、御浜町、紀宝町 9

「指定市町村」は農地法第4条第1項が定める仕組みです。 農林水産大臣が指定した市町村の区域内では、都道府県知事ではなく市町村長が許可権者になります。三重県は平成28年6月からこの移譲を段階的に進め、桑名市が平成31年4月に加わりました。

★北勢のいなべ市・菰野町・川越町、東紀州の紀北町・御浜町・紀宝町などは、いまも三重県知事の許可です。
同じ三重県内、しかも隣り合う市町でも、許可を出す人が違えば、審査の流れも所要日数も同じにはなりません。

全国向けの解説サイトは「農地転用は都道府県知事の許可」としか書けません。三重県では、それが29市町中19市町で外れています。


標準処理期間は何日ですか?

三重県知事が許可する場合は、農地法4条・5条とも60日です。

手続き 標準処理期間
農地法第4条(自己転用) 60日
農地法第5条(転用目的の権利移動) 60日
農地法第18条(賃貸借の解約等) 67日
  • 補正にかかった期間は日数に含まれません
  • 申請書の提出があった日の翌日から起算します
  • 三重県が「申請に対する処分に係る審査基準・標準処理期間等」として公表している値です(令和8年4月1日現在)

⚠ これは三重県知事が許可権者である9市町ぶんの日数です。 指定市町村19市町と志摩市(2ha以下)は自ら許可権者なので、その市町が定める期間になります。

★当サイトが公表値を確認できた指定市町村は、いまのところ3市町です。

市町 公表している期間
多気町 標準処理期間30日
伊賀市 市の許可は締切日からおおむね40日後の交付予定
亀山市 4条・5条は申請締切日後40日程度(3条は締切日後30日)

残る16市町ぶんは未確認です。 申請先の農業委員会にご確認ください。

★そして、この日数の手前にもう1つ期間があります

農地法施行規則は、農業委員会が申請書を許可権者へ送るまでの期間を、通常40日、都道府県機構の意見を聴くときは80日と定めています(第32条・第57条の6)。
→ 詳しくは、このページの下にある「30アールを超えると、工程が1段増えます」で説明します。

実際の日数を決めるのは「総会に間に合うかどうか」です

農地転用は、農業委員会の総会(部会)にかけて審議されます。総会は月1回です。
そのため、締切に1日間に合わなければ、まるまる1か月遅れます。

そして、その締切日が市町ごとにバラバラです。

市町 申請の締切 総会・部会 締切から総会まで 総会から許可書
伊勢市 毎月12〜14日 翌月15〜16日 約1か月 総会の翌日予定
松阪市 原則毎月15日 翌月12〜15日 約1か月 公表なし
鈴鹿市 毎月18日前後 翌月12〜15日 約27日 公表なし
桑名市 毎月20日 翌月10日前後 約20日 公表なし
いなべ市 毎月20日前後 翌月10日前後 約20日 公表なし
四日市市 毎月25日 翌月15日頃 約20日 総会から概ね1か月後
津市 固定日なし(年度の日程表で個別指定) 毎月1回・2部会制 約28日 例:8月18日部会 → 8月20日交付

7市が7通りです。 締切日は12〜14日・15日・18日・20日・25日・個別指定と分かれ、
総会から許可書が出るまでも、伊勢市の「翌日」から四日市市の「概ね1か月後」まで開きがあります。

⚠ 上の「約◯日」は、各市町が公表している年度の日程表から数えた実測です。行政が定める標準処理期間とは別のものです。
決済日や着工日が決まっている案件では、先に申請先の締切日を確かめてから逆算してください。


手数料はいくらかかりますか?

農地法には、建設業許可の9万円のような法定手数料の定めがありません。

桑名市は、農地転用の手数料を「無」と明記しています。

⚠ 当サイトが一次資料で確認できたのは桑名市だけです。 29市町すべてが無料であることを確認したわけではないので、申請先の農業委員会にご確認ください。

なお、手数料とは別に次の費用がかかります。

  • 登記事項証明書・公図の写しなどの交付手数料
  • 測量・図面作成などの実費
  • 行政書士に依頼する場合の報酬(→ 行政書士に頼むといくら?)

市街化区域なら、許可ではなく届出です

市街化区域内の農地は、あらかじめ農業委員会に届け出れば、許可なしで転用できます(農地法第4条第1項第7号・第5条第1項第6号)。

桑名市は「10日程度で受理通知書を発行」と公表しています。 許可の1〜2か月とは、かかる時間がまるで違います。

★三重県で市街化区域があるのは11市町だけです

三重県で区域区分(線引き)が定められているのは、次の5つの都市計画区域です(令和6年1月4日現在)。

都市計画区域 市街化区域の面積 関係する市町
四日市 8,880ha 四日市市、菰野町、朝日町、川越町
津 4,633ha 津市
桑名 3,823ha 桑名市、いなべ市、木曽岬町、東員町
鈴鹿 3,728ha 鈴鹿市
松阪 3,074ha 松阪市

この11市町以外に市街化区域はありません。 伊勢市・伊賀市・名張市・志摩市などは非線引きなので、
「市街化区域だから届出でよい」は、そもそも成り立ちません。すべて許可の手続きになります。


29市町別の件数(令和5年)

その市で年に何件動いているのかは、県全体の数字からは分かりません。実数を並べます。

市町 許可を出すのは 4条 5条 届出 合計
鈴鹿市 その市町 23 184 214 421
四日市市 その市町 5 126 236 367
松阪市 その市町 13 185 144 342
津市 その市町 27 280 0 307
桑名市 その市町 5 42 138 185
多気町 その市町 6 138 0 144
伊賀市 その市町 22 114 0 136
明和町 その市町 4 116 0 120
いなべ市 三重県 4 94 8 106
亀山市 その市町 5 97 0 102
志摩市 その市町(2ha以下) 7 85 0 92
大台町 その市町 4 72 0 76
菰野町 三重県 3 40 20 63
東員町 その市町 0 21 20 41
名張市 その市町 8 32 0 40
玉城町 その市町 3 31 0 34
鳥羽市 その市町 3 29 0 32
南伊勢町 その市町 2 30 0 32
紀北町 三重県 2 27 0 29
度会町 その市町 5 22 0 27
川越町 三重県 1 1 23 25
大紀町 その市町 0 24 0 24
御浜町 三重県 3 20 0 23
伊勢市(下の注記をお読みください) その市町 15 0 0 15
紀宝町 三重県 1 11 0 12
熊野市 三重県 0 10 0 10
木曽岬町 三重県 1 6 1 8
尾鷲市 三重県 0 3 0 3
朝日町 その市町 0 0 0 0
三重県計 — 172 1,840 804 2,816

上位5市町(鈴鹿・四日市・松阪・津・桑名)で1,622件、県全体の57.6%です。

⚠ ただし建設業許可の分布とは重なりません。 多気町144件・明和町120件・大台町76件のように、町でも件数の多いところがあります。
農地は面積のある場所で動くので、建設業者の多い市=農地転用の多い市、にはなりません。


市町別のページ

締切日・総会の日程・必要な書類は、市町ごとに違います。 個別にまとめたページがあります。

市町 件数 このページに書いてあること
鈴鹿市の農地転用|締切と総会の日程 421(県内1位) 令和8年度の総会日程12回ぶんの実日付/許可21項目 vs 届出6項目の書類の差/登記情報提供サービスは使えない
四日市市の農地転用|届出と許可のちがい 367(県内2位) 届出なら2週間、許可なら2か月前後という時間の差/締切は毎月25日(12月は別)/届出236件は県内最多
松阪市の農地転用|締切と現地調査日 342(県内3位) ★現地調査の日を公表している数少ない市(定例会の約1週間前・2日間)/締切は原則毎月15日
津市の農地転用|許可書の交付日まで公表 307(県内4位) ★許可書の交付予定日を1年ぶん公表(部会の2〜5日後)/2部会制/通帳の写しは3か月以内
桑名市の農地転用|手数料と締切20日 185(県内5位) ★手数料「無」と明記している県内唯一の市/締切は毎月20日/届出74.6%は県内最高の比率
多気町の農地転用|標準処理期間30日 144(県内6位) ★標準処理期間30日を公表/農振除外の締切は年2回(7月末・1月末)だけ/市街化区域なし
伊賀市の農地転用|締切から40日 136(県内7位) ★市の許可は締切日からおおむね40日後/締切→総会→常設審議委員会の3段階/受理後の不備も翌月送り
明和町の農地転用|申請地での立ち合い 120(県内8位) ★申請者が申請地に立ち会う唯一の町/締切から定例会が16〜36日と倍以上ばらつく
いなべ市の農地転用|許可は三重県知事 106(県内9位) ★県知事許可。総会は終点ではなく県へ送る工程/標準処理期間60日が当てはまる
亀山市の農地転用|太陽光発電の書類 102(県内10位) ★太陽光発電の農地転用について注意事項と追加書類を公表(営農型の4パターンつき)/締切日後40日程度/開発を伴う案件は開発許可と同日
志摩市の農地転用|2haで申請先が変わる 92(県内11位) ★2ha以下は志摩市、2ha超は三重県知事/総会のあとに三重県農業会議の常設審議委員会/30アール超で法定期間が40日→80日
大台町の農地転用|毎月末締切と始末書 76(県内12位) ★締切が「毎月末」なのは県内でここだけ/添付書類一覧に「始末書 → 転用済の場合」/太陽光は経済産業省の認定通知が要る/都市計画区域なし
菰野町の農地転用|法定40日と県の60日 63(県内13位) ★県知事許可。申請から許可までを法令の数字で足し算した(100日/30アール超で140日)/締切17日/総会まで9〜21日
東員町の農地転用|議事録で読む1年 41(県内14位) ★毎月の議事録を公開している町。当サイトが17回ぶんを通読した/現地確認は定例会の当日で、必要な月だけ/市街化区域は届出で随時受付
名張市の農地転用|先に農地区分を照会する 40(県内15位) ★農地区分の照会は回答まで概ね2週間/締切「毎月23日」が12回中7回ずれる/工事用進入路の一時転用の実例/線引きなしで市街化区域なし
玉城町の農地転用|農振除外は年1回 34(県内16位) ★農振除外の申出は年1回(毎年7月末日)だけ。認可まで概ね10か月/「全ての案件が認可になるとは限らない」と町が明記/締切→総会は27〜33日/許可後は写真つきで報告
鳥羽市の農地転用|総会は毎月ではない 32(県内17位) ★締切も総会予定も非公表。議事録23回を数えたら開催間隔が21〜120日/★建設残土の持ち込みで継続審議になった実例/市の条例で着工30日前までに届出・自然保護協定
南伊勢町の農地転用|案件0件なら開催なし 32(県内18位) ★「案件0件のため開催なし」と町が明記/締切20日→翌月5日ごろ→許可書は月の中旬頃/30アール超だとその目安が崩れる/議案の通し番号で件数を検算できる
紀北町の農地転用|条例の届出が先 29(県内19位) ★県知事許可/★1,000㎡以上の埋立ては町の条例の届出が要り、条例が「他の法令の申請より前」と定めている/★申請前に担当農業委員の署名捺印が要る/条例違反の公表が実際に2件
度会町の農地転用|資材置場と一時転用 27(県内20位) ★町が「仮設事務所・土石採取・残土処分も一時転用」と明記/★資材置場は予定資材名と量まで書く/農地区分の照会は1週間・1回10筆まで/押印は廃止
大紀町の農地転用|地域計画の除外が先 24(県内21位) ★令和7年4月から、地域計画区域内の農地は転用の前に地域計画の変更(除外)が要る/★「宅地造成のみを目的とする転用」は原則不許可と明記/締切20日(休日は後ろへ)
御浜町の農地転用|12月は総会なし 23(県内23位) ★県知事許可/★12月は総会の予定がない。11月10日の締切を逃すと次は翌年1月末(60日以上あく)/★10kW以上50kW未満の野立て太陽光に町の指導要綱。分割しても合算される/用途地域はあるが市街化区域はない

★22市町を横に並べると、締切も期間もこれだけ違います

市町 許可を出すのは 申請の締切 締切から総会まで 許可までの目安
御浜町 ★三重県知事 ★毎月10日(休日は翌開庁日)/★12月は総会なし 16〜21日 公表なし
松阪市 松阪市 原則毎月15日 25〜33日 公表なし
亀山市 亀山市 原則毎月15日 23〜28日 ★締切日後40日程度
志摩市 ★2ha以下のみ志摩市 原則毎月15日 16〜22日 公表なし
鈴鹿市 鈴鹿市 毎月16〜18日ごろ 22〜28日 公表なし
菰野町 ★三重県知事 毎月17日(休庁日は翌日) 9〜21日 ★法令上100日/140日
伊賀市 伊賀市 各月17〜20日前後 20〜24日 締切から約40日
明和町 明和町 各月20日前後 16〜36日 公表なし
桑名市 桑名市 毎月20日(休庁日は前の開庁日) 約20日 公表なし
いなべ市 ★三重県知事 毎月20日(休庁日は翌開庁日) 15〜21日 ★県の標準処理期間60日
南伊勢町 南伊勢町 毎月20日(閉庁日は前の開庁日) 13〜18日 ★許可書は月の中旬頃(30アール超を除く)
大紀町 大紀町 毎月20日(休日は翌開庁日) 翌月の定例総会(日付は非公表) 公表なし
玉城町 玉城町 月により18〜21日(年度の日程表で個別指定) 27〜33日 公表なし
紀北町 ★三重県知事 毎月25日(休日は翌開庁日) 翌月下旬(約1か月) 公表なし
東員町 東員町 前月の17〜23日(月により動く) 14〜19日 公表なし
名張市 名張市 原則毎月23日(★12回中7回はそれより前) 14〜18日 公表なし
多気町 多気町 各月24日前後(3条は月末) 25〜31日 ★標準処理期間30日
四日市市 四日市市 毎月25日(12月を除き土日祝は前送り) 約20日 総会から概ね1か月後
大台町 大台町 ★毎月末(閉庁日はその前日) 公表なし 公表なし
津市 津市 月により変動 24〜32日 ★交付予定日を公表(部会の2〜5日後)
鳥羽市 鳥羽市 ★公表なし ★逆算できない 公表なし

★締切日は10日・15日・16〜18日・17日・18〜21日・20日・23日・24日・25日・月末・変動と、22市町でばらばらです。

🔴 そして「毎月20日」の4市町は、休日にあたったときの扱いが2つずつ逆に分かれます。

締切が休日にあたったとき 市町
前の開庁日=早くなる 桑名市・南伊勢町
翌開庁日=遅くなる いなべ市・大紀町

★20日が日曜日なら、桑名市と南伊勢町は18日(金)まで、いなべ市と大紀町は21日(月)まで。3日違います。
★「毎月25日」も同じで、四日市市は前送り、紀北町は翌開庁日と逆です。
★締切から総会までの幅は、菰野町の9日から明和町の36日まで4倍の開きがあります。
複数の市町にまたがる案件では、必ず市町ごとに逆算してください。

🔴 そして鳥羽市は、締切日も総会予定日も公表していません。
当サイトが調べた18市町のうち、どちらも公表していないのは鳥羽市だけです。逆算そのものができないので、まず電話で次の総会を聞くところから始まります。

★「締切から会議まで」がぶれる市町と、ぶれない市町があります

締切から会議まで 幅
名張市 14〜18日 4日
南伊勢町 13〜18日 5日
東員町 14〜19日 5日
玉城町 27〜33日 6日
菰野町 9〜21日 12日
明和町 16〜36日 20日

★幅が小さい市町なら「締切に間に合えば2週間半後の会議」と見込めますが、幅が大きい市町ではその見込みが立ちません。
日数の平均ではなく、いちばん長い月を前提に組んでください。

⚠ 「ぶれが小さい」ことと「早い」ことは別です。玉城町は幅6日と安定していますが、締切から総会まで27〜33日かかります。
南伊勢町は13〜18日で、幅も日数も小さい市町です。

🔴 総会が毎月開かれるとは限りません

このページはここまで「総会は月1回」を前提に書いてきました。件数の少ない市町では、そうならないことがあります。

市町 件数
鳥羽市 32 当サイトが議事録23回を数えたところ、開催の間隔は21〜120日。令和6年11月19日の次は令和7年3月19日
南伊勢町 32 町が会議録の一覧に「案件0件のため開催なし」と記載している回がある

★年間30件台=月に3件弱の市町では、案件が1件も出ない月が現実に起こりえます。
→ 締切に間に合わせたうえで、次の総会がいつなのかを必ず確認してください。

★市街化区域があるかどうかで、選べる手続きが変わります

市町
市街化区域がある(届出で済む農地がある) 鈴鹿・四日市・松阪・津・桑名・菰野町・東員町・いなべ(員弁町の一部のみ)
市街化区域がない(すべて許可) 伊賀・多気町・明和町・亀山・志摩・名張市・大台町・玉城町・鳥羽市・南伊勢町・紀北町・度会町・大紀町・御浜町

🔴 「市街化区域がない」理由は、市町によって3通りに分かれます。

理由 その市町
都市計画区域はあるが線引きがされていない。用途地域はある 名張市・玉城町(伊勢都市計画区域)・鳥羽市(鳥羽都市計画区域)・御浜町(御浜都市計画区域2,503ha)・伊賀市・多気町
都市計画区域はあるが線引きがされておらず、用途地域もない 南伊勢町(南勢都市計画区域)・紀北町(紀伊長島都市計画区域)・志摩市・明和町
都市計画区域そのものがない 大台町・度会町・大紀町

⚠ 「用途地域があるから市街化区域だろう」は成り立ちません。別の制度です。

★南勢都市計画区域は205haで、県の一覧に載る20の都市計画区域のなかでいちばん小さい区域です。
2番目に小さい鳥羽都市計画区域(2,142ha)の10分の1以下です。

⚠ 上の22市町以外は、申請先の農業委員会にご確認ください。順次まとめていきます。


🔴 申請書を出すより前に、工程があります

このページはここまで「締切に間に合わせる」話をしてきました。
しかし市町を調べていくと、農地転用の申請書にたどり着くより前に、別の手続きが立っていることが分かりました。

手前にあるもの 何が要るか 実例
地域計画の変更(除外) 令和7年4月から、地域計画区域内の農地(目標地図に色付けされた農地)は、農振除外や転用の前に町村の地域計画変更が必要。公告のあとに転用申請 大紀町が明記
農振除外 農用地区域内の農地は、まず農用地区域から外す 玉城町は年1回(毎年7月末日)・認可まで概ね10か月/多気町は年2回
市町村の条例の届出 1,000㎡以上の埋立てなど。紀北町の条例は「関係法令等の申請より前」と定めている 紀北町・鳥羽市(着工30日前)
農地区分の照会 第1種・第2種・第3種のどれかを先に確かめる 名張市は概ね2週間/度会町は概ね1週間・1回10筆まで
担当農業委員の書類確認 申請前に、その農地の担当委員に書類を見てもらい署名捺印をもらう 紀北町
太陽光の指導要綱 10kW以上50kW未満の野立て太陽光は、標識の設置(説明会の30日前まで)→説明会→協定→事前協議→覚書→着手届(着手の30日前まで)。事前協議は経済産業省の認定申請より前と要綱が定めている 御浜町

★全部が全部の案件に当てはまるわけではありません。
ただし「農地転用は1〜2か月」という一般的な説明は、いちばん下の段(申請 → 総会 → 許可)だけを見た数字です。

★農用地区域の農地で、地域計画にも入っていて、1,000平方メートル以上の埋立てを伴うなら、
申請書を出せる状態になるまでに1年以上かかることがあります。

→ 土地の売買契約や工事の受注を、これらの手続きより前に確定させないでください。


🔴 工事を請け負った側にも、原状回復の命令が届きます

ここは建設会社の方に必ず読んでいただきたい部分です。

農地法は、違反転用があったときに原状回復等の措置を命じられる相手を、4つ挙げています。

一 第四条第一項若しくは第五条第一項の規定に違反した者又はその一般承継人
二 第四条第一項又は第五条第一項の許可に付した条件に違反している者
三 前二号に掲げる者から当該違反に係る土地について工事その他の行為を請け負つた者又はその工事その他の行為の下請人
四 偽りその他不正の手段により、第四条第一項又は第五条第一項の許可を受けた者
(農地法第51条第1項)

★3号です。違反転用の土地について工事を請け負った者と、その下請人も対象です。

発注者が無許可だった場合、そこに気づかず工事をした建設会社と、その下請にも、都道府県知事等から原状回復等の命令が届きうるということです。

そのあと
命令に従わなかった場合 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(農地法第64条第3号)/法人は1億円以下の罰金(同法第67条第1号)
さらに 命令に従わないと、その旨と土地の地番等が公表されることがある(同法第51条第3項)
行政が代わりに 原状回復等の措置を自ら講じ、その費用を負担させることができる(同法第51条第4項・第5項。徴収は行政代執行法第5条・第6条を準用)

★鳥羽市の農業委員会では、よそから持ち込む建設残土が論点になって、農地転用の議案が継続審議になっています。
★紀北町では、条例違反の盛土について「全量撤去し、原形復旧すること」という措置命令が出され、公表されています。

→ 農地に土を入れる工事、造成工事、資材置場の整備を請け負うときは、
①登記の地目 ②許可が下りているか(申請中ではないか) ③市町村の条例の届出が済んでいるか、を着工前に確かめてください。

⚠ 発注者の「大丈夫だから」を口頭で受けないでください。入れた土を全部出す工事の費用は、誰も見積もっていません。


🔴 30アールを超えると、工程が1段増えます

ここまで市町ごとの違いを見てきましたが、面積で決まる共通のルールがあります。

農地法は、農業委員会が意見を述べようとするとき、あらかじめ都道府県機構の意見を聴かなければならないと定めています。

農業委員会は、前項の規定により意見を述べようとするとき(同項の申請書が同一の事業の目的に供するため三十アールを超える農地を農地以外のものにする行為に係るものであるときに限る。)は、あらかじめ、農業委員会等に関する法律第四十三条第一項に規定する都道府県機構(以下「都道府県機構」という。)の意見を聴かなければならない。
(農地法第4条第4項。第5条第3項で5条にも準用)

この「都道府県機構」が、三重県では三重県農業会議(三重県農業委員会ネットワーク機構)です。

★市町の日程表に出てくる、あの会議のことです

市町の日程表には、呼び名の違う列が並んでいます。

市町 日程表での呼び名
名張市 ★常設審議委員会(表の見出しに「三重県農業会議」と明記)
志摩市 常設審議委員会
伊賀市 常設審議委員会 会議開催日
多気町 県諮問日
明和町 (参考)県常設審議委員会
南伊勢町 県農業会議常設審議委員会(日程表ではなく、申請の流れの注記のなかで名指ししている)

★この5市町の日付は、令和8年度の12回すべてが一致します。
(4月13日・5月11日・6月11日・7月13日・8月12日・9月11日・10月13日・11月11日・12月11日・1月12日・2月12日・3月11日)

🟢 そして名張市の日程表は、その列の見出しに「三重県農業会議」と書いています。
「県諮問日」も「常設審議委員会」も、三重県農業会議の同じ会議を指しています。呼び名が違うだけです。

★名張市の日程表では、この会議は定例会の3〜7日後、締切から数えると18〜25日後に開かれています。

そして、法律上の期限も倍になります

法第四条第三項の農林水産省令で定める期間は、申請書の提出があつた日の翌日から起算して四十日(同条第四項又は第五項の規定により都道府県機構の意見を聴くときは、八十日)とする。
(農地法施行規則第32条。5条については第57条の6に同じ規定)

転用する農地の面積 都道府県機構への意見聴取 農業委員会が送付するまでの期間
30アール(3,000㎡)以下 義務ではない(法4条5項で聴くことはできる) 40日
30アール超 ★あらかじめ聴かなければならない(法4条4項) ★80日

★30アール=3,000㎡が、工程の分かれ目です。

⚠ これは全国共通のルールです。三重県だけの決まりではありません。
⚠ そして県知事が許可を出す9市町では、この40日/80日のあとに、さらに三重県の標準処理期間60日が乗ります。


🔴 この統計の読み方(そのまま使えない数字があります)

当サイトは推計値を書きません。 そのかわり、統計にどう出ているかと、そこから何が読み取れるかを分けて書きます。

① 伊勢市の令和5年は、5条が計上されていません

伊勢市 令和4年 令和5年
4条 許可 25 15
5条 許可 201 0
合計 226 15

農地転用の9割は5条です。 その5条が201件から0件になるのは、手続きの実態としては考えにくい数字です。
伊勢市は指定市町村(自ら許可権者)なので、集計に載らなかった可能性があります。

→ 当サイトは、伊勢市を語るときは令和4年の226件を使います。 令和5年の15件は5条を含まない数字です。

② 津市と朝日町は、市街化区域があるのに届出の計上がありません

上でみたとおり、津市には4,633haの市街化区域があります(県内2番目の広さ)。松阪市(3,074ha)で144件の届出が計上されているのに、
津市の届出は令和5年が0件、令和4年も5件です。朝日町も令和5年は0件でした。

この統計だけでは、実際に届出がなかったのか、集計に載らなかったのかは分かりません。当サイトは未確認として、数字をそのまま載せています。

③ したがって、県全体の2,816件は「下限」として読むのが安全です

伊勢市の5条ぶんだけでも、令和4年の水準なら約200件が乗ります。
「三重県は年2,816件」は公表された実数ですが、実際に動いている件数はこれを下回りません。
当サイトはここで推計値に置き換えることをしません。 数字を均せば、それは一次資料ではなくなるからです。


許可が下りたら終わりですか?

終わりません。報告が続きます。

農地法は、転用の許可には「工事が完了するまでの間、実施状況を農業委員会を経由して報告すること」を条件として付けなければならないと定めています(農地法第4条第7項。5条にも第5条第3項で準用)。
つまり報告は運用ではなく、法律が許可に付けさせている条件です。

三重県も「農地転用許可後の工事等進捗状況報告」の様式を配布しています。
津市は「許可日から3か月後、およびその後1年ごと」に進捗を報告するよう案内しています。

いつ 何をするか
許可のあと 3か月後に工事進捗状況報告
その後 1年ごとに工事進捗状況報告
工事が終わったら 遅滞なく工事完了報告

1件の転用で、役所とのやりとりは3〜4回になります。 申請して許可が出たら終わり、という業務ではありません。


許可されない農地があります

農地法第4条第6項は、許可できない場合を定めています。とくに重いのが次の2つです。

区分 扱い
農用地区域内の農地(いわゆる青地) 原則として転用できません。先に市町へ農用地区域からの除外(農振除外)を申し出る必要があります
良好な営農条件を備えた農地 政令で定める集団的な農地などは原則不許可

三重県は「農用地区域からの除外は市町の土地利用計画なので、申出があっても除外できない場合がある」と明記しています。
農振除外は、農地転用より先に、しかも別の手続きとして必要になります。

三重県が示している面積の目安

三重県は、住宅への転用について次の目安を公表しています。

用途 面積の目安
一般住宅 原則500㎡以内
農家住宅 1,000㎡以内
建ぺい率 22%以上

また、「将来家を建てたいので、とりあえず土地造成だけ先に行う」ことは、土地造成のみにあたり許可できないとされています(都市計画区域内の用途地域であれば、可能な場合があります)。

同一の事業で30アールを超える転用では、農業委員会があらかじめ都道府県機構の意見を聴くことになっています(農地法第4条第4項)。面積が増えると、関係する機関も増えます。


無断で転用するとどうなりますか?

農地法第4条第1項・第5条第1項に違反した場合、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です(農地法第64条第1号)。
法人の業務に関して行われた場合、その法人には1億円以下の罰金刑が科されます(同法第67条第1号)。

罰則だけではありません。都道府県知事等は、許可の取消し・工事の停止命令・原状回復命令を出すことができ(同法第51条第1項)、
命令に従わないときは、その旨と土地の地番を公表できます(同条第3項)。さらに行政代執行と、その費用の負担もあります(同条第4項〜第6項)。

「知らなかった」では戻せません。 造成が終わってから発覚すると、費用を払って元の農地に戻すことになります。


建設業をしている方へ(農地は身近です)

次のような場面で、建設業の会社そのものが農地転用の当事者になります。

  • 資材置場・重機の置き場をつくる
  • 自社の車庫・倉庫・作業員の宿舎をつくる
  • 造成工事を請け負ったが、その土地が農地だった
  • 太陽光発電設備を設置する(三重県はFIT法に関する取扱いを別に示しています)

農地の上では、建築確認より先に農地法の手続きが要ります。
そして総会は月1回なので、着工日から逆算しないと、工程がまるまる1か月ずれます。

→ 三重県で建設業許可を取るには|窓口・手数料・審査期間


三重県で農地転用に対応している行政書士事務所

現在、掲載事務所を募集しています。

事務所をお探しの方は、三重県行政書士会の会員検索をご利用ください。

当サイトについて: 当サイトは行政書士事務所の情報を掲載しているものであり、
紹介・あっせんを行うものではありません。掲載にあたっては、
所属する行政書士会と登録番号を明記しています。
また、事務所同士の優劣比較やランキングは行いません。


よくある質問

Q. 農地転用の申請はどこに出しますか?
A. その農地がある市町の農業委員会です。三重県庁ではありません。農地法は「農業委員会を経由して」提出すると定めています(農地法第4条第2項)。ただし許可を出すのは、19の指定市町村と志摩市(2ha以下)ではその市町、残る9市町では三重県知事です。

Q. どれくらいの期間がかかりますか?
A. 三重県知事が許可する場合の標準処理期間は、4条・5条とも60日です(補正期間を除く。申請書の提出があった日の翌日から起算)。ただし実際は月1回の総会に間に合うかどうかで決まります。締切日は市町ごとに違い、伊勢市は毎月12〜14日、四日市市は毎月25日です。

Q. 手数料はいくらですか?
A. 農地法には、建設業許可の9万円のような法定手数料の定めがありません。桑名市は手数料を「無」と明記しています。当サイトが確認できたのは桑名市のみなので、申請先の農業委員会にご確認ください。登記事項証明書などの実費と、行政書士に依頼する場合の報酬は別にかかります。

Q. 4条と5条は何が違いますか?
A. 4条は自分の農地を自分で転用する場合、5条は転用を目的に売買・貸借する場合です。三重県の令和5年の許可2,012件のうち1,840件(91.5%)が5条でした。

Q. 市街化区域なら許可は要りませんか?
A. あらかじめ農業委員会に届け出れば、許可は要りません(農地法第4条第1項第7号・第5条第1項第6号)。ただし三重県で市街化区域があるのは11市町だけです。伊勢市・伊賀市・名張市・志摩市などは非線引きなので、届出ではなく許可の手続きになります。

Q. 農用地区域(青地)の農地でも転用できますか?
A. 原則としてできません。先に市町へ農用地区域からの除外を申し出る必要があります。三重県は「申出があっても除外できない場合がある」と明記しています。転用より前に、別の手続きが1つ増えるとお考えください。

Q. 許可が出たあと、やることはありますか?
A. あります。農地法は、工事が完了するまでの実施状況を農業委員会を経由して報告することを、許可の条件として付けなければならないと定めています(同法第4条第7項)。津市は「許可日から3か月後、およびその後1年ごと」と案内しています。工事完了時は遅滞なく完了報告を出します。

Q. 許可を受けずに転用してしまいました。
A. 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(農地法第64条第1号)、法人には1億円以下の罰金刑(同法第67条第1号)が定められています。あわせて工事停止・原状回復の命令(同法第51条第1項)の対象になります。まず申請先の農業委員会にご相談ください。

Q. 相続で農地を取得しました。何か届出が要りますか?
A. 農地法第3条の3の届出が要ります。相続などで農地の権利を取得した人は、遅滞なく、その農地がある市町村の農業委員会に届け出なければならないと定められています。津市は「権利の取得を知った日からおおむね10か月以内」と案内しています。転用の手続きとは別のものです。