いなべ市の農地転用は、申請先がいなべ市農業委員会事務局で、許可を出すのは三重県知事です。ここが県内の主要市町と大きく違うところで、いなべ市の農業委員会の総会は「終点」ではなく、意見を付けて県へ送るための工程です。三重県の標準処理期間は農地法4条・5条とも60日。申請の締切は毎月20日前後です。
このページには、いなべ市だから違うことだけを書いています。
制度そのもの(4条と5条のちがい、罰則、許可が下りたあとの報告)は → 三重県の農地転用|申請先と29市町の件数
🔴 いなべ市は「三重県知事が許可を出す市」です
三重県の29市町のうち、県知事が許可を出すのは9市町だけです。いなべ市はそこに入ります。
| 許可を出すのは | 市町 |
|---|---|
| その市町(指定市町村・19市町) | 津・四日市・伊勢・松阪・桑名・鈴鹿・名張・亀山・鳥羽・伊賀・東員町・朝日町・多気町・明和町・大台町・玉城町・度会町・大紀町・南伊勢町 |
| その市町(2ha以下) | 志摩市 |
| 三重県知事(9市町) | いなべ市・尾鷲市・熊野市・木曽岬町・菰野町・川越町・紀北町・御浜町・紀宝町 |
いなべ市は、市街化区域内(員弁町の一部の地域)以外の農地を転用する場合、農地法第4条・第5条により三重県知事の許可が必要と案内しています。
★流れが根本的に違います
指定市町村(桑名市・四日市市など)では、総会で決まればそこで許可です。
いなべ市では、総会は通過点です。
いなべ市の場合
申請(いなべ市農業委員会へ)
↓ 締切は毎月20日前後
いなべ市農業委員会の総会 ← ここは「意見を付ける」場
↓ 農地法第4条第3項:農業委員会は、申請書に意見を付して都道府県知事等に送付しなければならない
三重県が審査
↓ 三重県の標準処理期間 60日
三重県知事が許可
農地法は、農業委員会が申請書を受けたときは、意見を付けて都道府県知事等に送付しなければならないと定めています(農地法第4条第3項。5条にも第5条第3項で準用)。
つまり、いなべ市の総会が終わっても、そこから県の審査が始まります。
★「総会が終われば許可」と思っていると、工程を大きく読み違えます。
標準処理期間は60日です
三重県が公表している標準処理期間は、農地法4条・5条とも60日です(令和8年4月1日現在)。
| 手続き | 標準処理期間 |
|---|---|
| 農地法第4条(自己転用) | 60日 |
| 農地法第5条(転用目的の権利移動) | 60日 |
| 農地法第18条(賃貸借の解約等) | 67日 |
- 補正にかかった期間は日数に含まれません
- 申請書の提出があった日の翌日から起算します
★60日の手前に、もう1つ期間があります
この60日は「三重県が申請書を受け取ってから」の期間です。その手前に、農業委員会が県へ送るまでの期間があります。
法第四条第三項の農林水産省令で定める期間は、申請書の提出があつた日の翌日から起算して四十日(同条第四項又は第五項の規定により都道府県機構の意見を聴くときは、八十日)とする。
(農地法施行規則第32条。5条については第57条の6に同じ規定)
| 転用する農地の面積 | 送付まで | 県の審査 | 合計(法令上の想定) |
|---|---|---|---|
| 30アール(3,000㎡)以下 | 40日 | 60日 | 100日 |
| 30アール超 | 80日 | 60日 | ★140日 |
★いなべ市の総会(締切から15〜21日)は、この40日の中に含まれます。
→ 足し算の全体像は菰野町のページで詳しく説明しています。
★この60日は、三重県知事が許可権者である9市町にしか当てはまりません。
指定市町村(19市町)は自ら許可権者なので、その市町が定める期間になります。実際、多気町は30日、伊賀市は締切から約40日と、いずれも短い数字を公表しています。
⚠ 県内でいちばん時間を見ておく必要があるのは、この9市町です。
令和8年度の日程(全12回)
| 審議する月 | 申請書類の締切日 | 総会 | 締切から総会まで |
|---|---|---|---|
| 4月分 | 令和8年3月23日 | 4月10日 | 18日 |
| 5月分 | 4月20日 | 5月8日 | 18日 |
| 6月分 | 5月20日 | 6月10日 | 21日 |
| 7月分 | 6月22日 | 7月10日 | 18日 |
| 8月分 | 7月21日 | 8月10日 | 20日 |
| 9月分 | 8月20日 | 9月10日 | 21日 |
| 10月分 | 9月24日 | 10月9日 | 15日 |
| 11月分 | 10月20日 | 11月10日 | 21日 |
| 12月分 | 11月20日 | 12月10日 | 20日 |
| 1月分 | 12月22日 | 令和9年1月9日 | 18日 |
| 2月分 | 令和9年1月20日 | 2月10日 | 21日 |
| 3月分 | 令和9年2月20日 | 3月10日 | 18日 |
- 締切は毎月20日が基本です(20日が休庁日の場合は翌開庁日)
- 締切から総会までは15日〜21日と、県内でも短いほうです
- ⚠ ただし、そのあとに県の審査(標準処理期間60日)が控えています
- ⚠ いなべ市は「諸般の事情により、変更することがあります」と注記しています
⚠ 上の日数は、公表されている日程表から数えた実測です。日程は毎年改められます。
提出する部数に特徴があります
いなべ市は、こう案内しています。
申請書は3部とも正本が必要ですが、その他の添付書類については、1部正本、1部コピーを提出してください。
★「3部とも正本」=押印のある原本を3通そろえるということです。コピー2部では受け付けられません。
県知事許可なので、市・県それぞれに回る分が必要になります。
添付書類は、位置図・登記事項証明書・住民票または戸籍の附票・土地改良区の意見書・事業計画書・建物等配置図・土地利用計画図・現状写真・代替候補地の検討結果・確認書などです(詳細は市の早見表)。
★「代替候補地の検討結果」が挙がっている点に注意してください。
「なぜ、その農地でなければならないのか」を説明する書類です。農地転用は、農地以外で足りるなら認められにくい制度なので、ここが問われます。
市街化区域は「員弁町の一部」だけです
いなべ市は桑名都市計画区域に含まれ、市街化区域があります。
ただしいなべ市は「市街化区域内(員弁町の一部の地域)」と限定して案内しています。
市街化区域内なら、許可ではなく届出で足ります(農地法第4条第1項第7号・第5条第1項第6号)。
令和5年の統計でも、いなべ市の市街化区域内の届出は8件が計上されています。
★ただし8件です。同じ桑名都市計画区域の桑名市が138件であることと比べると、いなべ市で届出に当たる農地はごく限られていることが数字にも出ています。
→ いなべ市では「まず市街化区域かどうか」より、「県知事許可の60日を見込む」ほうが現実的です。
いなべ市の農地転用は年間何件ですか?
令和5年は106件です。三重県29市町のなかで9番目に多い市町です。
| 区分 | いなべ市 | 三重県計 | 県内での位置 |
|---|---|---|---|
| 農地法4条 許可(自己転用) | 4 | 172 | — |
| 農地法5条 許可(転用目的の売買・貸借) | 94 | 1,840 | 県内8位 |
| 市街化区域内の届出 | 8 | 804 | — |
| 合計 | 106 | 2,816 | 県内9位 |
★いなべ市は、三重県知事が許可を出す9市町のなかで、群を抜いて件数が多い市です。
(同じ9市町のうち、菰野町63件・紀北町29件・川越町25件・御浜町23件・紀宝町12件・熊野市10件・木曽岬町8件・尾鷲市3件)
出典は農林水産省「農地の権利移動・借賃等調査」確報 第7編 市町村別編(令和5年)です。推計ではなく実数です。
建設業をしている方へ
次のような場面で、建設会社そのものが農地転用の当事者になります。
- 資材置場・重機置場をつくる
- 自社の車庫・倉庫・作業員の宿舎をつくる
- 造成工事を請け負ったが、その土地が農地だった
いなべ市は県知事許可なので、県内でいちばん時間を見ておく必要があるグループです。
市の総会まで15〜21日、そこから県の審査で標準処理期間60日。
隣の桑名市(指定市町村)と同じ感覚で工程を組むと、大きくずれます。
近くの市とは、やり方が違います
| いなべ市 | 桑名市 | 四日市市 | |
|---|---|---|---|
| 許可を出すのは | ★三重県知事 | 桑名市 | 四日市市 |
| 締切 | 毎月20日(休庁日なら翌開庁日) | 毎月20日(休庁日なら前の開庁日) | 毎月25日 |
| 総会 | 翌月10日前後 | 翌月10日前後 | 翌月15日頃 |
| 総会のあと | ★県の審査(標準処理期間60日) | 許可 | 許可(概ね1か月後に交付) |
| 市街化区域 | 員弁町の一部のみ(届出8件) | あり(届出138件) | あり(届出236件・県内最多) |
★桑名市といなべ市は、締切がどちらも「毎月20日」なのに、休庁日のときの扱いが逆です。
桑名市は前の開庁日(早まる)、いなべ市は翌開庁日(遅くなる)。両市にまたがる案件では、取り違えないでください。
いなべ市の農地転用に対応している行政書士事務所
現在、掲載事務所を募集しています。
事務所をお探しの方は、三重県行政書士会の会員検索をご利用ください。
当サイトについて: 当サイトは行政書士事務所の情報を掲載しているものであり、
紹介・あっせんを行うものではありません。掲載にあたっては、
所属する行政書士会と登録番号を明記しています。
また、事務所同士の優劣比較やランキングは行いません。
よくある質問
Q. いなべ市の農地転用は、どこに出しますか?
A. いなべ市農業委員会事務局です(0594-86-7834)。ただし許可を出すのは三重県知事です。いなべ市は指定市町村ではありません。
Q. どれくらいの期間がかかりますか?
A. 市の総会までが15〜21日、そのあと県の審査です。三重県の標準処理期間は4条・5条とも60日(補正期間を除く。申請書の提出があった日の翌日から起算)。指定市町村の市町より時間を見ておく必要があります。
Q. 総会で決まれば許可ですか?
A. いいえ。いなべ市の総会は、申請書に意見を付けて三重県へ送るための工程です(農地法第4条第3項)。そこから県の審査が始まります。
Q. 締切はいつですか?
A. 毎月20日です。20日が休庁日の場合は翌開庁日になります。(隣の桑名市は「前の開庁日」なので逆です)
Q. 提出は何部必要ですか?
A. 申請書は3部とも正本が必要です。その他の添付書類は1部正本、1部コピーです。コピーで3部そろえても受け付けられません。
Q. 市街化区域なら届出で済みますか?
A. いなべ市の市街化区域は員弁町の一部の地域だけです。そこに含まれれば届出で足ります。令和5年の届出は8件でした。
Q. 手数料はいくらですか?
A. いなべ市は農地転用の手数料を公表していません。(県内で「無」と明記しているのは桑名市です)