東員町の農地転用は、申請先も許可を出すのも東員町農業委員会です。締切は前月20日前後、定例会は毎月上旬。締切から定例会までは14〜19日で、当サイトが調べた14市町のなかでもばらつきの小さい町です。そして東員町は、定例会の議事録を毎月PDFで公開しています。何が審議され、現地確認が行われたかどうかまで読み取れます。
このページには、東員町だから違うことだけを書いています。
制度そのもの(4条と5条のちがい、罰則、許可が下りたあとの報告)は → 三重県の農地転用|申請先と29市町の件数
東員町は「町が許可を出す町」です
三重県では、19市町が全ての農地について転用許可の権限を県から移されています(指定市町村)。東員町はそこに入ります。
申請書を出す先も、許可を出す先も、東員町農業委員会(産業課内・0594-86-2808)です。
⚠ 隣の菰野町では許可を出すのは三重県知事で、工程がまったく違います。同じ北勢でも同じではありません。
令和8年度の日程(13回ぶん公表されています)
| 申請締切日 | 定例会 | 締切から定例会まで |
|---|---|---|
| 令和8年3月23日(月) | 4月6日(月) | 14日 |
| 4月20日(月) | 5月7日(木) | 17日 |
| 5月20日(水) | 6月5日(金) | 16日 |
| 6月19日(金) | 7月6日(月) | 17日 |
| 7月17日(金) | 8月5日(水) | 19日 |
| 8月20日(木) | 9月7日(月) | 18日 |
| 9月18日(金) | 10月5日(月) | 17日 |
| 10月20日(火) | 11月5日(木) | 16日 |
| 11月20日(金) | 12月7日(月) | 17日 |
| 12月18日(金) | 令和9年1月6日(水) | 19日 |
| 令和9年1月20日(水) | 2月5日(金) | 16日 |
| 令和9年2月19日(金) | 3月5日(金) | 14日 |
| 令和9年3月19日(金) | 4月5日(月) | 17日 |
- 会場:東員町役場 西庁舎 2階会議室/開催時間:午前9時30分より
- ★締切から定例会までは14〜19日。幅は5日しかありません。
★これは当サイトが調べた14市町のなかで、ばらつきの小さいほうです。
→ 東員町は「締切に間に合えば、だいたい2週間半後の会議にかかる」と見込めます。
明和町のように月によって倍以上ちがう町では、この見込みが立ちません。
★もうひとつ、東員町の日程表は令和9年4月分まで13回ぶん載っています。
年度末をまたぐ工期を組むときに、次年度の1回まで先に見えるのは実務では効きます。
⚠ 締切日は毎月20日前後ですが、17日から23日まで動きます。「毎月20日」と覚えないでください。
🔴 東員町は、毎月の議事録を公開しています
東員町農業委員会は、定例会の議事録をPDFで公開しています。令和8年度の各月ぶんと、令和2年度以降の年度まとめが並んでいます。
★これは特別なサービスではなく、法律が定めた前提のうえに立っています。
(会議の公開)第三十二条 総会及び部会の会議は、公開する。
(議事録)第三十三条 会長は、農林水産省令で定めるところにより、議事録を作成し、(略)
(農業委員会等に関する法律)
★農業委員会の会議は、法律上「公開する」ものです。議事録の作成も義務です。
東員町は、それをインターネットで読める形にしています。
→ 申請を考えている方にとって、これは「自分の案件が、どういう場で、どう扱われるか」を事前に読めるということです。
当サイトは令和7年度の12回ぶんを読みました
令和7年度(令和7年5月定例会から令和8年4月定例会まで)に審議された農地法の案件を、受付番号から数えました。
| 区分 | 令和7年度の件数 |
|---|---|
| 農地法5条 許可(転用目的の売買・貸借) | 19 |
| 農地法4条 許可(自己転用) | 5 |
| 農地法5条第1項第6号 届出(市街化区域内) | 8 |
| 農地法4条第1項第7号 届出(市街化区域内) | 4 |
| 農地法3条 許可(農地のままの売買・貸借) | 21 |
| 非農地証明願 | 1 |
★転用に関わるものだけを足すと、許可24件・届出12件の合計36件です。
受付番号は1から欠けずに並んでおり、数え漏れがないことを確認しています。
⚠ これは議事録から数えた令和7年度の数字です。下に載せた統計は令和5年のものなので、そのまま比べないでください。
🔴 議事録から分かる、東員町のいちばん実務的なこと
① 現地確認は「定例会の当日」に、必要な案件があるときだけ行われます
東員町の議事録には、開会のあとに必ずこの分かれ道があります。
それでは、現地調査のため移動をお願いいたします。
《現地確認》
あるいは、
今回は現地確認が必要な案件がないことから、現地調査は行わず、このまま(略)
★東員町は、現地確認の日を別に設けていません。定例会の日の朝、会議を中断して現地へ行き、戻ってから審議します。
そして、必要な案件がない月は行いません。
| 令和7年度(12回) | 令和8年度 4〜8月(5回) | |
|---|---|---|
| 現地確認を行った回 | 9回 | 2回 |
| 行わなかった回 | 3回 | 3回 |
★これは松阪市・亀山市・名張市のやり方とはっきり違います。
これらの市は現地確認の日を別日として日程表に載せており、毎月決まった日に実施しています。
② 会議の長さが、現地確認の有無でそのまま変わります
議事録には開会と閉会の時刻が載っています。17回ぶんを並べると、例外がありませんでした。
| 会議の長さ | |
|---|---|
| 現地確認を行った回(11回) | 30分〜60分 |
| 行わなかった回(6回) | 10分〜25分 |
★現地確認が入ると、会議の時間は3倍から5倍になります。
→ 現地確認は形式的な手順ではなく、実質的な工程だということです。
★申請する側から見れば、「現地を見られて困らない状態にしておく」ことが、そのまま審議の通りやすさにつながります。
すでに資材を置いてしまっている、造成が始まっている——そういう状態は現地確認で必ず見えます。
③ 審議で実際に問われている論点があります
令和8年6月の定例会では、5条許可の案件についてこういうやりとりがありました。
委員 申請図面を確認したところ、申請地は複数筆にまたがって計画されている。一体的に利用される計画であることから、境界の確定が当該申請の審査上(略)
★「複数の筆にまたがる計画なら、境界がはっきりしているか」——これが実際に会議で出た指摘です。
申請前に境界の状態を確かめておく価値がある、ということが、議事録から具体的に分かります。
④ 委員が自分の関係する案件の議事に加わることはありません
議事録には、ときどきこういう一文が入ります。
議案第1号は、〇番委員の〇△□様の自己の利害関係を有する案件を含んでいるため(略)
これも法律に定めがあります。
(議事参与の制限)第三十一条 農業委員会の委員は、自己又は同居の親族若しくはその配偶者に関する事項については、その議事に参与することができない。
(農業委員会等に関する法律)
★狭い町では、委員と申請者が知り合いであることは珍しくありません。
その前提のうえで、法律が線を引いており、東員町の議事録にはそれが実際に守られた記録が残っています。
⑤ 令和7年度は、否決も継続審議もありませんでした
12回すべてで、農地法の議案は「原案のとおり許可」で議決されています。
⚠ これを「東員町では必ず通る」と読まないでください。
農業委員会にかかる前に、事務局との相談と補正が済んでいるためだと考えられます。
議事録に残るのは「会議にかかった案件」だけで、その手前で止まったものは数えられません。
★東員町も「転用の計画がありましたら、あらかじめ農業委員会事務局までご相談ください」と案内しています。
この事前相談こそが実質的な審査だ、と読むのが自然です。
⚠ 議決は「出席委員の過半数」で決します(農業委員会等に関する法律第30条)。会議自体、在任委員の過半数が出席しないと開けません(同法第27条第3項)。東員町の議事録にも、毎回「14名中◯名の出席」と成立の確認が記されています。
東員町には市街化区域があります。届出には締切がありません
東員町は桑名都市計画区域に含まれ、市街化区域と市街化調整区域に区分されています(令和6年1月4日現在)。
| 面積 | |
|---|---|
| 市街化区域 | 497ha |
| 市街化調整区域 | 1,771ha |
★そして、東員町の手続きの案内は、この2つで書き分けられています。
| その農地が | 手続き | 出すタイミング |
|---|---|---|
| 市街化調整区域 | 許可申請 | 毎月の締切日まで |
| 市街化区域 | 届出 | ★随時受け付け |
🔴 市街化区域内なら、締切を待つ必要がありません。
農地法は、市街化区域内の農地の転用について、あらかじめ農業委員会へ届け出れば許可は要らないと定めています(第4条第1項第7号・第5条第1項第6号)。
→ 東員町でまず確かめるべきは「その農地は市街化区域か」です。
市街化区域なら、上の日程表そのものが関係なくなります。
★市街化区域は面積の2割強なのに、転用の半分近くが届出です
| 市街化区域が町域の都市計画区域に占める割合 | 約21.9%(497ha ÷ 2,268ha) |
| 令和5年の転用のうち届出の割合 | ★48.8%(20件 ÷ 41件) |
★面積の2割の場所で、転用の半分近くが起きています。
東員町の転用需要は、市街化区域に濃く寄っているということです。
⚠ どの範囲が市街化区域かは、町の産業課または都市計画の担当課にご確認ください。当サイトでは範囲を確認できていません。
★同じ桑名都市計画区域の桑名市は、届出が74.6%と県内で最も高い比率です。
★逆に大台町には都市計画区域そのものがなく、届出は0件です。
東員町の農地転用は年間何件ですか?
令和5年は41件です。
| 区分 | 東員町 | 三重県計 |
|---|---|---|
| 農地法4条 許可(自己転用) | 0 | 172 |
| 農地法5条 許可(転用目的の売買・貸借) | 21 | 1,840 |
| 市街化区域内の届出 | 20 | 804 |
| 合計 | 41 | 2,816 |
⚠ 令和5年の4条許可は0件です。
一方、当サイトが読んだ令和7年度の議事録では、4条許可が5件ありました。しかもその5件は、すべて10月以降に集まっています。
★年によって、また月によって、ここまで振れます。
同じことは大台町(令和4年23件 → 令和5年76件)でも、菰野町(令和4年126件 → 令和5年63件)でも起きています。
→ 市町単位の年間件数は、1年の数字だけで傾向を読まないでください。
出典は農林水産省「農地の権利移動・借賃等調査」確報 第7編 市町村別編(令和5年)です。推計ではなく実数です。
非農地証明は、対象にならないものが明記されています
東員町は、非農地証明について「農地転用後20年を経過していることが客観的に証明できるもの」を対象としたうえで、対象にならないものを3つ挙げています。
- 耕作放棄地、樹苗育成地、肥培管理している果樹園等
- 農用地区域内農地(農業用施設用地を除く)
- 容易に農地へ復元できるもの(草刈り機で雑草を刈り、耕運機で耕せば容易に農地へ復元できるもの)
★3つ目がいちばん実務的です。「長く使っていない」だけでは足りず、復元が容易でないことまで求められます。
証明の資料としては、家屋登記簿謄本・課税証明・航空写真・樹齢の確認できる写真などが挙げられています。
★対象外を先に書いている市町は多くありません。大台町は「20年前から農地以外だったことの証明資料」と現況写真を求めています。
建設業をしている方へ
次のような場面で、建設会社そのものが農地転用の当事者になります。
- 資材置場・重機置場をつくる
- 自社の車庫・倉庫・作業員の宿舎をつくる
- 造成工事を請け負ったが、その土地が農地だった
★東員町で工期を組むときの要点は3つです。
| 1 | 市街化区域なら届出で、締切がない。まずここを確かめる |
| 2 | 市街化調整区域なら、締切から定例会まで14〜19日。そのあとに許可書の交付が続く |
| 3 | 現地確認が入る可能性がある。着工前の状態で見られる前提で考える |
⚠ 無許可の転用には、農地法第64条第1号により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、法人には第67条第1号により1億円以下の罰金が定められています。
あわせて工事の停止や原状回復を命じられることがあります(同法第51条第1項)。
★「拘禁刑」は、令和7年6月1日に施行された刑法改正で懲役と禁錮を一本化したものです。
まだ「懲役」と書いている解説が多く残っていますが、現在の農地法第64条の条文は拘禁刑です。
東員町の農地転用に対応している行政書士事務所
現在、掲載事務所を募集しています。
事務所をお探しの方は、三重県行政書士会の会員検索をご利用ください。
当サイトについて: 当サイトは行政書士事務所の情報を掲載しているものであり、
紹介・あっせんを行うものではありません。掲載にあたっては、
所属する行政書士会と登録番号を明記しています。
また、事務所同士の優劣比較やランキングは行いません。
よくある質問
Q. 東員町の農地転用は、どこに出しますか?
A. 東員町農業委員会(産業課内・0594-86-2808)です。許可を出すのも東員町農業委員会です。東員町は指定市町村なので、県へは回りません。
Q. 締切はいつですか?
A. 前月の20日前後です。令和8年度は17日から23日までの範囲で月ごとに動きます。「毎月20日」と覚えないでください。日程表は町が令和9年4月分まで13回ぶん公表しています。
Q. 締切から会議まで、どれくらいですか?
A. 14日から19日です。幅が5日しかなく、当サイトが調べた14市町のなかではばらつきの小さいほうです。定例会は午前9時30分から、東員町役場 西庁舎2階会議室で開かれます。
Q. 市街化区域内でも締切を待ちますか?
A. いいえ。市街化区域内の農地の転用は届出で、東員町は随時受け付けています。まず、その農地が市街化区域か市街化調整区域かを確かめてください。
Q. 農業委員会の会議は見られますか?
A. 農業委員会の会議は、法律上「公開する」ものとされています(農業委員会等に関する法律第32条)。東員町は議事録もPDFで公開しています。傍聴の方法は町にご確認ください。
Q. 現地確認はいつ行われますか?
A. 東員町は定例会の当日、会議を中断して現地へ向かいます。別の日には設けていません。必要な案件がない月は行いません(令和7年度は12回中9回で実施)。
Q. 申請が否決されることはありますか?
A. 当サイトが読んだ令和7年度の12回では、農地法の議案はすべて「原案のとおり許可」で議決されていました。ただしこれは「必ず通る」という意味ではありません。会議にかかる前の事前相談と補正で整えられているためと考えられます。東員町も事前の相談を案内しています。
Q. 委員に知り合いがいると有利ですか?
A. いいえ。農業委員会の委員は、自己または同居の親族・その配偶者に関する事項の議事に参与できません(農業委員会等に関する法律第31条)。東員町の議事録にも、実際にこの取り扱いをした記録が残っています。
Q. 手数料はいくらですか?
A. 東員町は農地転用の手数料を公表していません。(県内で「無」と明記しているのは桑名市です。)