玉城町の農地転用は、申請先も許可を出すのも玉城町農業委員会です。ただし、その農地が農業振興地域の農用地区域に入っている場合、転用の申請にたどり着く前に「農振除外」という別の手続きがあります。玉城町はその申出の締切を年1回(毎年7月末日)と定め、認可までの所要期間を「概ね10か月」と公表しています。締切を1回逃すと、次の入口は1年後です。
このページには、玉城町だから違うことだけを書いています。
制度そのもの(4条と5条のちがい、罰則、許可が下りたあとの報告)は → 三重県の農地転用|申請先と29市町の件数
玉城町は「町が許可を出す町」です
三重県では、19市町が全ての農地について転用許可の権限を県から移されています(指定市町村)。玉城町はそこに入ります。
つまり、申請書を出す先も、許可を出す先も、玉城町農業委員会(産業振興課内・0596-58-8204)です。県へ回りません。
⚠ 同じ三重県内でも、菰野町やいなべ市では許可を出すのは三重県知事で、工程がまるごと違います。
「三重県の農地転用はこうです」と一般化された説明は、玉城町には当てはまらないことがあります。
🔴 農用地区域なら、入口は年に1回しかありません
玉城町は、農業振興地域整備計画の変更(農振除外)について、こう公表しています。
農振農用地除外・編入申出申請の締切りは年1回(毎年7月末日まで)です。
申請書締切日から認可まで、概ね10カ月を見込んでください。
ここが玉城町でいちばん大きい論点です。
農用地区域内の農地は、農地法の転用許可を申請する前に、農用地区域から外す手続きが要ります。
玉城町では、その申出を年に1回、7月末日にしか受け付けていません。そして認可までが概ね10か月です。
★逆算すると、こうなります
| 8月に「転用したい」と気づいた | その年の7月末は過ぎている。次の締切は翌年7月末=約11か月待ち |
| 翌年7月末に申出 | 認可は概ね10か月後=さらに翌年5月ごろ |
| そこから農地転用の許可申請 | 締切→総会が27〜33日(下の日程表) |
★最悪の入り方をすると、着手から転用許可まで2年近くかかる計算になります。
「農地転用は1〜2か月」という一般的な説明は、農用地区域の農地には当てはまりません。
⚠ しかも、申し出れば通るというものではありません
玉城町は、こう書いています。
農振農用地除外の申請書を受付けても、全ての案件が認可になるとは限りません。関係機関との協議の過程の中で除外不適当とされる案件もありますので、土地の選定は慎重に行ってください。
★ここは農地転用の許可とは性格が違います。
東員町の議事録では、12回の定例会すべてで農地転用の議案が「原案のとおり許可」でした。
一方で農振除外は、町が自分から「除外不適当とされる案件もある」と書いています。
→ 土地を買う契約や工事の受注を、農振除外の認可より前に確定させないでください。
除外申出書に何を書かされるか
玉城町の様式(様式1)には、理由を書く欄が5つあります。
| 書かされること |
|---|
| 緊急性があること |
| 必要最小限の面積であること |
| 代替地がない理由(土地所有者) |
| 代替地がない理由(土地利用予定者) |
| 申出地選定の経過 |
★そして町は、代替地について釘を刺しています。
土地所有者の了承を得たことや土地の価格が安価であることは代替地がないことの理由とはなりません。
さらに、添付資料として次の2つが様式化されています。
- 農用地区域からの除外について関係集落(区)への事業説明記録(説明日・説明相手・意見を書く)
- 農用地区域からの除外について隣地土地所有者への事業説明記録(同上)
★つまり、書類を出す前に、地元と隣地へ説明を済ませておく必要があります。
この2枚が空欄のままでは出せません。ここに要る時間は、上の10か月に含まれていません。
★土地改良区の意見については、町が別途聴くので添付は不要と明記されています。ここは申請者の手間が1つ減ります。
⚠ 多面的機能支払交付金の返還が起きることがあります
玉城町は、除外・転用にあたって次のことも書いています。
現在、町内各地域で「多面的機能支払交付金事業(農地・水・環境保全向上活動)」が実施されています。この事業の対象農用地が除外、転用された場合、活動組織は対象農用地に係る交付金の返還が生じます。
★返還が生じるのは、申請者ではなく地域の活動組織です。
だから地元説明が様式になっているわけで、手続き上の形式ではなく、実際にお金が動く話です。
⚠ 多気町は農振除外の締切が年2回(7月末・1月末)です。
玉城町は年1回。当サイトが調べた18市町のなかでは、いまのところ玉城町がいちばん間口が狭いことになります。
★ただし所要期間まで公表しているのは玉城町です。多気町は締切だけで、期間は公表していません。
転用の申請そのものは、13回ぶんの日程が出ています
玉城町は「令和8年度農地法関係許可申請締切日等一覧」を公表しています。
★令和9年4月分まで載っているので、13回ぶんの実日付が分かります。
| 月分 | 締切日 | 総会予定日 | 締切から |
|---|---|---|---|
| 4月分 | 令和8年3月19日(木) | 令和8年4月21日(火) | 33日 |
| 5月分 | 令和8年4月20日(月) | 令和8年5月21日(木) | 31日 |
| 6月分 | 令和8年5月20日(水) | 令和8年6月18日(木) | 29日 |
| 7月分 | 令和8年6月19日(金) | 令和8年7月16日(木) | 27日 |
| 8月分 | 令和8年7月21日(火) | 令和8年8月20日(木) | 30日 |
| 9月分 | 令和8年8月20日(木) | 令和8年9月17日(木) | 28日 |
| 10月分 | 令和8年9月18日(金) | 令和8年10月15日(木) | 27日 |
| 11月分 | 令和8年10月20日(火) | 令和8年11月19日(木) | 30日 |
| 12月分 | 令和8年11月20日(金) | 令和8年12月17日(木) | 27日 |
| 1月分 | 令和8年12月21日(月) | 令和9年1月21日(木) | 31日 |
| 2月分 | 令和9年1月20日(水) | 令和9年2月18日(木) | 29日 |
| 3月分 | 令和9年2月19日(金) | 令和9年3月18日(木) | 27日 |
| (R9)4月分 | 令和9年3月19日(金) | 令和9年4月20日(火) | 32日 |
★締切から総会までは27〜33日です。幅は6日で、平均は約29日。「締切に間に合えば、およそ1か月後の総会」と見込めます。
⚠ 締切日は18日・19日・20日・21日と月によって動きます。「毎月20日」ではありません。
★総会は13回のうち11回が木曜日で、4月分だけが火曜日です。
★1年で最も締切が早いのは9月分の8月20日です。このあと10月分の締切が9月18日なので、8月20日を逃すと次は9月18日、総会は10月15日になります。
玉城町は日程表にこう添えています。
総会の日程は変更することがあります。
許可書の交付については、準備が整い次第ご連絡します。
⚠ 許可書の交付日は公表されていません。(津市は交付予定日を1年ぶん公表しています。)
⚠ 締切日の時点で、原則として申請書類一式がすべて整っている場合のみ受理されます。
書類を出す前に、内容を農業委員会で確認しておくことが町から求められています。
許可のあとは、3か月・1年・その後1年ごとに報告します
玉城町は「農地転用許可にあたっての注意事項」という文書を公表しています。
許可後3か月経過時、1年経過時及びその後1年毎に、若しくは転用計画が完了した時は、「工事等進捗状況報告様式」に進捗状況又は完成状況が分かる「写真」を添付して、農業委員会へ必ず提出してください。
★写真の添付まで指定されているのが玉城町の書き方です。
そして町は、提出しなかった場合についてもはっきり書いています。
進捗状況又は完了報告の提出が無い場合は、文書等で提出を督促します。
許可を受けた転用計画と異なる目的での工事施工、進捗状況や完了報告の未提出は農地法違反となり、原状回復等の措置を講ずる命令の対象及び刑事罰の対象となる場合があります。
★「報告しない」ことが、それ自体で農地法違反になりうる、と町が明記しています。
★これは町の独自ルールではありません。農地法にこう書かれています。
第一項の許可は、申請に係る農地を農地以外のものにする行為が完了するまでの間において当該行為の実施状況について農業委員会を経由して都道府県知事等に報告することその他の必要な条件を付けてしなければならない。
(農地法第4条第7項。第5条第4項で準用)
★「条件を付けることができる」ではなく「付けなければならない」です。
報告は、お願いではなく、許可に必ず付いてくる条件です。大台町も同じ形で運用しています。
★玉城町は、期間の数え方を図で示しています。
| 例 | 提出するもの |
|---|---|
| 4月1日に許可、翌年5月31日に完了 | 7月1日(3か月)/翌年4月1日(1年)/翌年5月31日(完了報告) |
| 4月1日に許可、6月30日に完了 | 6月30日の完了報告のみ(3か月より前に終われば進捗報告は要らない) |
★工期が3か月未満で終われば、報告は完了報告の1回で済みます。
★様式は2回目以降コピーして使ってよい、と町が書いています。
⚠ 許可書は再交付されません。玉城町は「紛失等があっても許可書の再交付はできませんので、大切に保管してください」と明記しています。
⚠ 転用計画をやむを得ず変更する場合は、別途、農地転用許可申請が必要になることがあります。あらかじめ農業委員会へ問い合わせるよう求められています。
玉城町には市街化区域がありません
玉城町は、伊勢都市計画区域(3,607ha)に含まれています(三重県「都市計画区域決定状況」令和6年1月4日現在)。
ただしこの区域は「区域区分の無い都市計画区域(用途地域有り)」です。
★区域区分(線引き)がされていないので、市街化区域も市街化調整区域もありません。
このため、玉城町では「市街化区域だから届出で済む」という道がありません。
農地法が届出で足りるとしているのは市街化区域内の農地です(第4条第1項第7号・第5条第1項第6号)。
★統計もそのとおりになっています。令和5年の玉城町の農地転用34件は、34件すべてが許可で、届出は0件でした。
⚠ 「用途地域があるから市街化区域だろう」は成り立ちません。玉城町には用途地域はありますが、市街化区域はありません。
名張市も同じ形(線引きなし・用途地域あり)です。
玉城町の農地転用は年間何件ですか?
令和5年は34件です。三重県29市町のなかで16番目に多い町です。
| 区分 | 玉城町 | 三重県計 |
|---|---|---|
| 農地法4条 許可(自己転用) | 3 | 172 |
| 農地法5条 許可(転用目的の売買・貸借) | 31 | 1,840 |
| 市街化区域内の届出 | 0 | 804 |
| 合計 | 34 | 2,816 |
★令和4年は28件で、令和5年は34件です。大きな変動はありません。
★月あたりにすると3件弱です。総会は毎月開かれるので、1回の総会にかかる転用の議案は数件という規模になります。
⚠ 件数が少ないことは、手続きが軽いことを意味しません。上に書いたとおり、農用地区域なら入口は年1回です。
出典は農林水産省「農地の権利移動・借賃等調査」確報 第7編 市町村別編(令和5年)です。推計ではなく実数です。
建設業をしている方へ
次のような場面で、建設会社そのものが農地転用の当事者になります。
- 資材置場・重機置場をつくる
- 自社の車庫・倉庫・作業員の宿舎をつくる
- 造成工事を請け負ったが、その土地が農地だった
- 太陽光発電施設の設置工事を請け負った
★玉城町で工期を組むときに効いてくるのは、農振除外の年1回です。
「農地転用に1〜2か月みておけばいい」という前提で見積を出すと、農用地区域だった時点で崩れます。
7月末の締切と、そこから10か月。この2つだけは、話をもらった日に確認してください。
★工期を組む前に、その土地の地目を登記で確かめ、農用地区域かどうかを町に確認してください。
現況が草地でも、登記が「田」「畑」なら農地法の対象になりえます。
→ 三重県で建設業許可を取るには|窓口・手数料・審査期間
★玉城町で建設業許可を申請する窓口は伊勢建設事務所です(伊勢市勢田町628-2)。管内5市町の郵送の決まりもそちらにまとめてあります。
玉城町の農地転用に対応している行政書士事務所
現在、掲載事務所を募集しています。
事務所をお探しの方は、三重県行政書士会の会員検索をご利用ください。
当サイトについて: 当サイトは行政書士事務所の情報を掲載しているものであり、
紹介・あっせんを行うものではありません。掲載にあたっては、
所属する行政書士会と登録番号を明記しています。
また、事務所同士の優劣比較やランキングは行いません。
よくある質問
Q. 玉城町の農地転用は、どこに出しますか?
A. 玉城町農業委員会(玉城町役場 産業振興課内・0596-58-8204)です。許可を出すのも玉城町農業委員会です。玉城町は指定市町村なので、県へは回りません。
Q. 締切はいつですか?
A. 月によって18日〜21日で動きます。令和8年度は3月19日・4月20日・5月20日・6月19日・7月21日・8月20日・9月18日・10月20日・11月20日・12月21日・1月20日・2月19日です。「毎月20日」と覚えると、月によっては2日早く締め切られます。
Q. 締切から総会まで何日ですか?
A. 27〜33日です。令和8年度の13回ぶんの実日付から計算しました。平均は約29日で、「締切に間に合えば、およそ1か月後の総会」と見込めます。
Q. 農振除外はいつ申し出られますか?
A. 年1回、毎年7月末日までです。用途区分変更の申出は随時受付です。認可までは概ね10か月と町が公表しています。締切を逃すと次は1年後になります。
Q. 農振除外は申し出れば通りますか?
A. 通らないことがあります。玉城町は「申請書を受付けても、全ての案件が認可になるとは限りません。関係機関との協議の過程の中で除外不適当とされる案件もあります」と明記しています。土地の売買契約や工事の受注を、認可より前に確定させないでください。
Q. 農振除外の申出に、地元への説明は要りますか?
A. 要ります。玉城町は「関係集落(区)への事業説明記録」と「隣地土地所有者への事業説明記録」を様式にしており、説明日・説明相手・意見を書いて添付します。土地改良区の意見は町が別途聴くので、添付は不要です。
Q. 許可が下りたあと、何かすることはありますか?
A. あります。許可後3か月、1年、その後1年ごとに、写真を添付して進捗状況を報告します。完了したときは完了報告です。3か月より前に工事が終われば、完了報告の1回で済みます。提出がない場合は町が文書等で督促し、未提出そのものが農地法違反になりうると町は書いています。
Q. 市街化区域内なら届出で済みますか?
A. 玉城町には市街化区域がありません。玉城町は伊勢都市計画区域(3,607ha)に入っていますが、区域区分(線引き)がされていないためです。令和5年の届出も0件でした。玉城町の転用はすべて許可です。
Q. 手数料はいくらですか?
A. 玉城町は農地転用の手数料を公表していません。(県内で「無」と明記しているのは桑名市です。)
Q. 許可書をなくしました。再交付してもらえますか?
A. できません。玉城町は「紛失等があっても許可書の再交付はできませんので、大切に保管してください」と明記しています。