本サイトはPRを含みます

名張市の農地転用|先に農地区分を照会する

名張市の農地転用は、申請先も許可を出すのも名張市農業委員会です。名張市は「農地区分の照会」の方法を統一して公表しており、回答までは概ね2週間かかります。締切は毎月23日と案内されていますが、令和8年度の日程表では、12回のうち7回がそれより前の日でした。覚えた日ではなく、日程表の日付で動いてください。

このページには、名張市だから違うことだけを書いています。
制度そのもの(4条と5条のちがい、罰則、許可が下りたあとの報告)は → 三重県の農地転用|申請先と29市町の件数


名張市は「市が許可を出す市」です

三重県では、19市町が全ての農地について転用許可の権限を県から移されています(指定市町村)。名張市はそこに入ります。
申請先も許可権者も、名張市農業委員会事務局(0595-63-7665)です。

★名張市農業委員会には、農地部会と農政部会が置かれています(市の説明)。
毎月の定例総会は、市役所4階の405会議室で午後1時30分から開かれます。


🔴 まず「農地区分の照会」から始める市です

名張市は、令和8年8月に農地区分の照会方法をこう統一しました。

昨今、農地区分の確認依頼が増加しております。回答の迅速化および正確性の向上のため農地区分の照会方法を統一させていただきますので、下記の注意点を確認の上、農業委員会事務局へメールまたはFAXにて問い合わせください。

★農地区分とは、その農地が転用しやすい場所か、そうでない場所かの区分です。
農地法は、市街地に近い農地(第3種農地など)は原則として転用を認め、生産性の高いまとまった農地(第1種農地など)は原則として認めないという立地基準を持っています。
つまり、区分が分かれば「そもそも通る見込みがあるか」の当たりが付きます。

照会するときの注意点(市が示している6つ)

1 事前に地目が農地であることを必ず確認する
2 農業振興地域内農用地(黄色地)に該当しないことを必ず確認する
3 土地の所在を大字ごと・地番順に正確に記載する(位置図を添付)
4 位置図には照会する農地の筆の形を明確に示す
5 ★執拗な勧誘等によりトラブルが発生している事案があるため、事前に所有者の意向を確認してから問い合わせる
6 回答の農地区分はあくまで見込みでの判断であり、農地転用の可否を判断するものではない

★上記を満たしていない地番については、対応できない場合があるとされています。

🔴 回答までは概ね2週間です

1 概ね2週間程度を要します。あらかじめご了承ください。(農地法審査等の業務繁忙の場合は、それ以上の日数をいただきます。)
2 複数回、照会する場合は、回答を受けてから次の照会をしてください。

★この2週間は、申請の期間には含まれません。申請より前の話です。

→ 名張市で農地転用を考えるなら、締切から逆算するのではなく、照会の2週間から逆算してください。

農地区分の照会  ← ★ここから始まる(概ね2週間)
 ↓
所有者・現地の確認、書類の準備
 ↓
申請書の提出(毎月の締切日まで)
 ↓
現地確認(締切の8〜14日後)
 ↓
定例総会(締切の14〜18日後)

★5番目の注意点は、実務の温度がそのまま出ています。
「執拗な勧誘等によりトラブルが発生している」——所有者の意向を確かめないまま照会をかける動きが実際にある、ということです。
名張市に照会を出すなら、先に所有者と話をしておいてください。

⚠ 6番目も見落とせません。回答は「見込み」であって、転用の可否ではありません。
区分が良くても、他の要件(資力、代替地、周辺への影響など)で許可されないことはあります。


🔴 締切は「毎月23日」ですが、12回のうち7回はそれより前です

名張市はこう案内しています。

毎月23日までに申請書を農業委員会まで提出してください。
(23日が土曜日または祝日の場合は22日、23日が日曜日の場合は21日が締切日)

★ところが、市が公表している令和8年度の日程表を1回ずつ見ると、こうなっています。

締切日 現地確認日 定例会 締切から定例会まで
令和8年3月23日(月) 4月1日(水) 4月7日(火) 15日
4月23日(木) 5月1日(金) 5月8日(金) 15日
5月22日(金) 6月1日(月) 6月8日(月) 17日
6月23日(火) 7月1日(水) 7月7日(火) 14日
7月23日(木) 8月3日(月) 8月6日(木) 14日
8月21日(金) 9月1日(火) 9月8日(火) 18日
★9月18日(金) 10月1日(木) 10月6日(火) 18日
10月23日(金) 11月2日(月) 11月6日(金) 14日
★11月20日(金) 12月1日(火) 12月7日(月) 17日
★12月21日(月) 令和9年1月4日(月) 1月7日(木) 17日
1月22日(金) 2月1日(月) 2月5日(金) 14日
★2月19日(金) 3月2日(火) 3月8日(月) 17日

この12回を分けると、こうなります。

締切日の実際 回数
23日ちょうど 5回
市の案内どおりの前倒し(22日・21日) 3回
★案内では説明できない、さらに前の日 4回

🔴 9月18日・11月20日・12月21日・2月19日の4回は、市が案内している例外ルール(22日・21日)よりもさらに前です。
理由は公表されていません。

→ 「毎月23日」と覚えていると、年に4回はずれます。必ず日程表の日付を見てください。

★とくに10月分の締切は9月18日です。23日のつもりでいると5日遅れます。
この月は敬老の日と秋分の日をはさむ連休があります。

⚠ 締切から定例会までは14〜18日、幅は4日です。
★これは当サイトが調べた15市町のなかで、最もばらつきの小さい部類です。(東員町は14〜19日で幅5日、菰野町は9〜21日で幅12日、明和町は16〜36日で幅20日。)


現地確認は誰が行くのかまで書かれています

名張市の日程表には、注記が3つ付いています。

注2.現地確認は、会長、副会長(職務代理者)、事務局(2人)と、現地で合流する地元委員とで実施。
注3.定例会は、午後1時30分開会。会場は、405会議室。

★現地確認は、締切の8日後から14日後に行われます。定例会の5〜7日前です。

★「誰が現地に来るのか」まで公表している市町を、当サイトは名張市のほかに見つけていません。
会長・副会長・事務局2人に加えて、その土地の地元委員が現地で合流します。

→ その農地のことを実際に知っている委員が、必ず現地に立つということです。
松阪市・亀山市も現地調査の日を公表していますが、名張市は体制まで書いています。
(東員町は逆に、現地確認を定例会の当日にまとめて行い、必要な案件がない月は行いません。)


🟢 名張市の日程表が、三重県農業会議の会議日を明かしています

名張市の日程表には、もう1列あります。表の見出しはこうです。

                       三重県農業会議
区分 申請締め切り日 現地確認日 定例会 常設審議委員会 開催日

★「常設審議委員会」が三重県農業会議のものであることが、表の見出しに書かれています。

これは当サイトが長く追いかけていた点でした。
志摩市は「常設審議委員会」、伊賀市は「常設審議委員会 会議開催日」、多気町は「県諮問日」、明和町は「(参考)県常設審議委員会」——呼び名がばらばらでした。
そして令和8年度の12回の日付が、これら4市町と名張市で完全に一致します。

名張市の日程表の日付 4月13日・5月11日・6月11日・7月13日・8月12日・9月11日・10月13日・11月11日・12月11日・1月12日・2月12日・3月11日

★これで「県諮問日」も「常設審議委員会」も、三重県農業会議の同じ会議を指していることが、市の資料の見出しから確認できました。

なぜ市町の日程表に県の会議が載るのか

農地法に定めがあります。

農業委員会は、(略)意見を述べようとするときは(同一の事業の目的に供するため三十アールを超える農地の転用に係るものに限る。)、あらかじめ、都道府県機構の意見を聴かなければならない。
(農地法第4条第4項。第5条第3項で準用)

★30アール(3,000㎡)を超える転用では、都道府県機構=三重県では三重県農業会議の意見を聴くことが義務です(都道府県機構は農業委員会等に関する法律第43条第1項の機構)。

★名張市の日程表では、定例会の3日後から7日後に常設審議委員会が開かれています。
締切から数えると18日後から25日後です。

⚠ 30アールを超える案件は、ここまで見込んでください。


🔴 工事の進入路にも農地法がかかります(一時転用)

名張市が公開している令和8年4月の定例総会の議事録に、こういうやりとりがあります。

(森岡委員)受付番号6番と7番の件ですが、進入路が令和8年12月までの一時転用ですが、その後の進入路はあるのか。
(事務局)元々里道がございますので、徒歩で行くことになります。
(議長)進入路の幅員は。
(事務局)4mです。
(議長)工事終了後はどうなるのか。
(事務局)一時転用ですので、農地に復旧してもらいます。復旧の誓約書も添付されています。

★これは建設業をしている方に直接関わります。
工事のために農地を通り道として使う——それも農地転用(一時転用)です。

一時転用について、農地法はこう定めています

自分の農地を一時的に使う場合(4条) 使い終わったあとに耕作の目的に供されることが確実と認められないときは許可できない(第4条第6項第6号)
他人の農地を一時的に使う場合(5条) ★所有権を取得しようとする場合は許可できない(第5条第2項第6号)
〃 所有権以外の権利(賃貸借・使用貸借)でも、使い終わったあとに耕作の目的に供されることが確実と認められないときは許可できない(同項第7号)

🔴 一時的な利用のために農地を「買う」ことはできません。条文がまっすぐ禁じています。
借りるしかなく、しかも「元に戻すことが確実」と認められる必要があります。

★名張市の事例で「復旧の誓約書」が添付されていたのは、この「確実と認められる」ことを示すためです。
議事録では期限(令和8年12月まで)と幅員(4m)が確認され、工事終了後の通行手段(元の里道を徒歩で)まで問われています。

→ 工事用の進入路を農地に取るなら、①期限 ②幅 ③終わったあとどう戻すか、を先に決めておいてください。
この3つは、名張市の会議で実際に問われた項目です。


名張市には市街化区域がありません

⚠ これは間違えやすいところです。名張市には都市計画区域があります。

都市計画区域 名張都市計画区域(12,977ha)
区域区分(市街化区域と市街化調整区域の線引き) ★なし
用途地域 あり

(三重県 都市計画区域決定状況・令和6年1月4日現在)

★線引きがされていないため、名張市には市街化区域が存在しません。
農地法が届出で足りるとしているのは市街化区域内の農地です(第4条第1項第7号・第5条第1項第6号)。
市街化区域がなければ、この規定は使えません。

★統計もそのとおりです。令和5年の名張市の農地転用40件は、40件すべてが許可で、届出は0件でした。

→ 「用途地域があるから市街地だ、届出でいけるはずだ」は成り立ちません。名張市の転用はすべて許可です。

都市計画区域 線引き 市街化区域 令和5年の届出
名張市 あり ★なし なし 0件
東員町 あり あり あり(497ha) 20件
大台町 なし — なし 0件

★同じ「届出0件」でも、名張市と大台町では理由が違います。
名張市は線引きがされていないから、大台町は都市計画区域そのものがないからです。


名張市の農地転用は年間何件ですか?

令和5年は40件です。

区分 名張市 三重県計
農地法4条 許可(自己転用) 8 172
農地法5条 許可(転用目的の売買・貸借) 32 1,840
市街化区域内の届出 0 804
合計 40 2,816

⚠ 令和4年は47件でした。令和5年は40件で、少し減っています。
★市町単位の年間件数は、この規模だと数十件の増減がふつうに起きます(大台町は23件→76件、菰野町は126件→63件)。1年の数字だけで傾向を読まないでください。

★名張市は三重県の南西部・伊賀地域にあり、伊賀市(136件)と同じ地域です。
どちらも市街化区域がなく、転用はすべて許可という点で共通しています。

出典は農林水産省「農地の権利移動・借賃等調査」確報 第7編 市町村別編(令和5年)です。推計ではなく実数です。


様式の数が県内でも多い市です

名張市は、転用の申請書のほかに、証明・届出の様式を13種類公表しています。

  • 非農地証明願/買受適格証明願/耕作等証明願
  • 納税猶予に関する適格者証明願
  • 農地埋立届出書
  • 植林計画書
  • 許可されたことの証明願
  • 賃貸借の合意解約通知書/使用貸借の合意解約通知
  • 取消願/取下願
  • 農地の相続等の届出書(農地法第3条の3第1項)
  • 農地転用届出書(農業用施設)

★「農地埋立届出書」と「植林計画書」は、当サイトが調べた15市町のなかで名張市だけが様式を用意しています。

★「取消願」「取下願」があるのも実務的です。
出したあとに計画が変わったとき、どう引っ込めるかの様式が最初から用意されている、ということです。

⚠ 農地に土を入れる(埋立)ときは、転用にあたらなくても届出が要る場合があります。
造成の前に、名張市農業委員会へご確認ください。


建設業をしている方へ

次のような場面で、建設会社そのものが農地転用の当事者になります。

  • 資材置場・重機置場をつくる
  • 自社の車庫・倉庫・作業員の宿舎をつくる
  • 造成工事を請け負ったが、その土地が農地だった
  • ★工事のための進入路を農地に取る(一時転用)
  • ★農地に土を入れる(埋立の届出)

★名張市で工程を組むときは、順番がすべてです。

1 農地区分の照会に概ね2週間(申請より前)
2 締切は毎月23日前後だが、年に4回はそれより前(日程表で確認)
3 現地確認(締切の8〜14日後)/定例総会(締切の14〜18日後)
4 30アールを超えるなら、三重県農業会議の常設審議委員会(締切の18〜25日後)

⚠ 無許可の転用には、農地法第64条第1号により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、法人には第67条第1号により1億円以下の罰金が定められています。
あわせて工事の停止や原状回復を命じられることがあります(同法第51条第1項)。

★とくに一時転用は「一時的だから」と軽く扱われがちですが、許可がなければ同じ条文がかかります。

→ 三重県で建設業許可を取るには|窓口・手数料・審査期間
★名張市で建設業許可を申請する窓口は伊賀建設事務所です(伊賀市四十九町2802)。農地転用とは窓口も、許可を出す人も違います。


名張市の農地転用に対応している行政書士事務所

現在、掲載事務所を募集しています。

事務所をお探しの方は、三重県行政書士会の会員検索をご利用ください。

当サイトについて: 当サイトは行政書士事務所の情報を掲載しているものであり、
紹介・あっせんを行うものではありません。掲載にあたっては、
所属する行政書士会と登録番号を明記しています。
また、事務所同士の優劣比較やランキングは行いません。


よくある質問

Q. 名張市の農地転用は、どこに出しますか?
A. 名張市農業委員会事務局(0595-63-7665)です。許可を出すのも名張市農業委員会です。名張市は指定市町村なので、県へは回りません。

Q. 締切はいつですか?
A. 市は「毎月23日(土曜・祝日なら22日、日曜なら21日)」と案内しています。ただし令和8年度の日程表では、12回のうち23日ちょうどは5回だけで、案内では説明できないさらに前の日が4回あります(9月18日・11月20日・12月21日・2月19日)。日程表の日付で動いてください。

Q. 農地区分の照会とは何ですか?
A. その農地が転用しやすい区分かどうかを、事前に農業委員会へ確かめる手続きです。名張市は照会方法を統一しており、メールまたはFAXで受け付けています。回答までは概ね2週間です。ただし回答は見込みであり、転用の可否を判断するものではありません。

Q. 照会するときに気をつけることは?
A. 地目が農地であること、農振農用地(黄色地)でないことを先に確認し、所在を大字ごと・地番順に書いて位置図を添えます。また「執拗な勧誘等によりトラブルが発生している事案がある」ため、事前に所有者の意向を確認してから問い合わせるよう市が求めています。

Q. 工事の進入路として農地を借りたいのですが。
A. 一時転用として農地法の許可が要ります。このとき、一時的な利用のために所有権を取得することはできません(農地法第5条第2項第6号)。賃貸借や使用貸借で借り、使い終わったあとに農地へ戻すことが確実と認められる必要があります(同項第7号)。名張市の実際の審議でも、期限・幅員・工事終了後の通行手段が確認され、復旧の誓約書が添付されていました。

Q. 現地確認には誰が来ますか?
A. 会長、副会長(職務代理者)、事務局2人、そして現地で合流する地元委員です(市の日程表の注記)。締切の8日後から14日後に行われます。

Q. 名張市は市街化区域内の届出はできますか?
A. できません。名張市の都市計画区域は線引き(区域区分)がされておらず、市街化区域が存在しないためです。令和5年の届出も0件でした。用途地域はありますが、それとは別の話です。

Q. 30アールを超える転用は何が変わりますか?
A. 農業委員会が、あらかじめ三重県農業会議(都道府県機構)の意見を聴かなければならなくなります(農地法第4条第4項)。名張市の日程表には、その常設審議委員会の開催日が定例会の3〜7日後として載っています。

Q. 定例総会はいつ、どこで開かれますか?
A. 市役所4階の405会議室で、午後1時30分開会です(日程表の注記)。農業委員会の会議は法律上「公開する」ものとされています(農業委員会等に関する法律第32条)。名張市は議事録も公開しています。

Q. 手数料はいくらですか?
A. 名張市は農地転用の手数料を公表していません。(県内で「無」と明記しているのは桑名市です。)