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大紀町の農地転用|地域計画の除外が先

大紀町の農地転用は、申請先も許可を出すのも大紀町農業委員会です。締切は毎月20日、翌月の定例総会で審査されます。そして令和7年4月から、新しい工程がひとつ増えました。地域計画区域内の農地は、農振除外や農地転用をする前に、町による地域計画の変更(除外)手続が必要になっています。順番は「地域計画の変更公告 → 農地転用の許可申請」です。

このページには、大紀町だから違うことだけを書いています。
制度そのもの(4条と5条のちがい、罰則、許可が下りたあとの報告)は → 三重県の農地転用|申請先と29市町の件数


大紀町は「町が許可を出す町」です

三重県では、19市町が全ての農地について転用許可の権限を県から移されています(指定市町村)。大紀町はそこに入ります。
つまり、申請書を出す先も、許可を出す先も、大紀町農業委員会(本庁産業振興課内・0598-86-2243)です。県へ回りません。

⚠ ただし転用面積が30アールを超える案件は、三重県農業会議への意見聴取が入ります(下記)。

⚠ 同じ度会郡でも、紀北町は三重県知事が許可権者です。
度会町は大紀町と同じく指定市町村です。

★審査基準について、大紀町ははっきりこう書いています。

農地法に基づく審査基準については、三重県の審査基準に準じております。

→ 許可を出すのは町ですが、判断のものさしは県と同じです。


🔴 令和7年4月から、地域計画の除外が先に入りました

大紀町は、こう案内しています。

令和7年4月から農業経営基盤強化促進法による地域計画区域内の農地(目標地図に位置づけ(色付け)されている農地)について、農振地域農用地区域からの除外や農地転用を行う際には、あらかじめ市町村による地域計画の変更(除外)手続が必要となります。地域計画変更公告後に農地転用許可の申請をしていただく流れになりますので、ご理解ください。

★「地域計画変更公告後に農地転用許可の申請」です。順番が決まっています。

★地域計画とは、農業経営基盤強化促進法に基づいて市町村が定めるもので、「10年後に誰がどの農地を使うか」を目標地図に描いたものです。
その地図で色が塗られている農地を転用するには、まず地図から外す手続きが要る、ということになります。

工程が最大3段になります

段 やること どれくらいか
1 地域計画の変更(除外)→ 公告 ★大紀町は期間を公表していません
2 農振除外(農用地区域内の農地の場合) ★大紀町は期間を公表していません(玉城町は年1回・認可まで概ね10か月と公表)
3 農地転用の許可申請(締切20日 → 翌月の定例総会) 締切から総会までおよそ1か月

★1と2は、どちらも「農地転用の申請にたどり着くまで」の工程です。
「農地転用は1〜2か月」という一般的な説明は、3段目だけを見た数字です。

⚠ 大紀町は1と2の所要期間を公表していません。必ず事前に町へご確認ください。

★この地域計画の話は、大紀町だけのものではありません。全国共通の制度変更です。
亀山市のページで「地域計画区域」に触れましたが、範囲と期間は取れていませんでした。
大紀町は「転用より前に除外手続が要る」という順番を明記しています。


締切は毎月20日。翌月の定例総会です

農地転用許可申請、農地の権利移動や貸し借り等の申請書受付の締切りは毎月20日です。
20日が土曜日、日曜日、祝日の場合は翌開庁日です。
申請内容は翌月の定例総会において審査され、転用面積が30アール(3000平方メートル)を超える案件については、三重県農業会議への意見聴取をへて、許可相当と判断された場合に許可書が交付されます。

★締切「毎月20日」は県内で4市町目です。ただし休日の扱いが分かれます。

市町 締切が休日にあたったとき
大紀町 翌開庁日=後ろへずれる
いなべ市 翌開庁日=後ろへずれる
桑名市 前の開庁日=早くなる
南伊勢町 前の開庁日=早くなる

★同じ「毎月20日」でも、2市町ずつ逆に分かれています。
20日が日曜なら、大紀町は21日(月)まで、桑名市と南伊勢町は18日(金)までです。3日違います。

⚠ 大紀町は定例総会の具体的な日付を公表していません。「翌月の定例総会」とだけ書かれています。

30アールを超えると、工程が1段増えます

これは大紀町の独自ルールではなく、農地法が定めているものです。

農業委員会は、前項の規定により意見を述べようとするとき(同項の申請書が同一の事業の目的に供するため三十アールを超える農地を農地以外のものにする行為に係るものであるときに限る。)は、あらかじめ、農業委員会等に関する法律第四十三条第一項に規定する都道府県機構の意見を聴かなければならない。
(農地法第4条第4項。第5条第3項で準用)

この「都道府県機構」が、三重県では三重県農業会議です。
★あわせて、農業委員会が送付するまでの法律上の期間も40日から80日になります(農地法施行規則第32条・第57条の6)。


🔴 「宅地造成だけ」は、原則として許可されません

大紀町は、農地転用許可制度の説明のなかにこう書いています。

なお、農地法では、具体的な事業計画のない「宅地造成のみを目的とする農地転用」は、原則として許可されません。

★これを自分から書いている市町は、当サイトが調べた21市町のなかで大紀町だけです。

「とりあえず造成して、宅地にしてから買い手を探す」——この形は通らない、ということです。
農地法は、転用の許可にあたって「申請に係る用途に遅滞なく供することが確実と認められない」場合を不許可の理由に挙げています(第4条第6項第4号・第5条第2項第4号)。
具体的な事業計画がないと、この確実性が示せません。

⚠ 造成工事を請け負う側から見ると、ここは重要です。
「農地を造成する」という発注があったとき、その先の事業計画が決まっていなければ、そもそも許可が下りない可能性があります。


大紀町には、町独自の申し合わせ事項があります

大紀町は、農地法第3条(農地の権利移動)の不許可事由のひとつとして、こう挙げています。

3. 申請地が、農地法第3条の許可を受けてから、3年を経過しないもの (大紀町農業委員会申し合わせ事項)

★「大紀町農業委員会申し合わせ事項」と、根拠を自分で明示しています。
法律でも県の審査基準でもなく、町の農業委員会が決めたローカルルールだと分かるように書かれています。

★これは3条(耕作目的の売買・貸借)の話であって、4条・5条の転用の話ではありません。
それでも、こういう申し合わせが存在し、しかも公表されているという事実は押さえておく価値があります。

⚠ 転用についても、公表されていない運用がありうる、ということです。
★だから大紀町では、事前相談を省かないでください。


2アール未満の農業用施設なら、届出で足ります

大紀町は、許可が不要な場合をこう案内しています。

農地をその地の保全若しくは利用増進のため又はその農地(2アール未満)の土地を農業用施設(農業用倉庫等)に変更する場合は、あらかじめ農業委員会へ「農地を農業用施設に使用する届出書」の届出を行えば許可は必要ありません。

★これは農地法第4条第1項第8号・施行規則第29条第1号に基づくもので、大紀町だけの扱いではありません。
ただし様式を用意して案内している市町は多くありません。

⚠ 2アールは200平方メートルです。
⚠ 建てられるのは「農業用施設」です。農業用倉庫や農機具格納庫が想定されており、資材置場や一般の倉庫はここに入りません。

★玉城町では、農業用施設を農用地区域に建てる場合、農振の用途区分変更という別の手続きが要ります。
「2アール未満なら届出で済む」が、どの場合にも当てはまるわけではありません。


許可が下りたあとの報告と、無断転用

大紀町は、許可後の手続きをこう書いています。

1.許可に係る工事が完了したとき、延滞なくその旨を報告する。
2.転用目的が達成されるまでの間、許可後3か月及びその後は1年ごとに工事及び転用の進捗状況を報告する。

★これは町の独自ルールではなく、農地法第4条第7項が許可に条件を付けるよう義務づけているためです(第5条第4項で準用)。

⚠ 資材置場・駐車場のように建築物の建築等を伴わない転用では、これに加えて報告が続くことがあります。
三重県の事務処理要領には、工事完了報告日から3年間・6か月ごとの実施状況報告を条件に付ける場合がある、と書かれています(→ 紀北町のページ)。

⚠ 罰則の記載について

大紀町は無断転用の罰則を3つに整理しています。そのうち3つ目について、農地法の条文を確かめておきます。

町のページの記載 農地法の条文
許可を受けずに農地の転用を行った者 → 3年以下の懲役又は300万円以下の罰金 第64条第1号。⚠ 現行の条文は「3年以下の拘禁刑」です(令和7年6月1日施行の刑法改正)
偽り、その他不正の手段により許可を受けた者 → 3年以下の懲役又は300万円以下の罰金 第64条第2号(同上)
県知事の工事の中止、原状回復などの命令に従わなかった者 → 6月以下の懲役又は30万円以下の罰金 ⚠ 現行の農地法第64条第3号は「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」です。「6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金」は第65条(職員の調査・測量等を拒んだ場合)の定めです

★当サイトは、町の案内を否定するために書いているのではありません。
条文が改正されると、自治体の案内が追いつかないことがあります。亀山市のページでも同じ理由で注記を入れました。
★読者にとって大事なのは「命令に従わなかった場合の罰則は軽くない」という点です。最新の条文でご確認ください。


大紀町には都市計画区域がありません

三重県が公表している都市計画区域の一覧(令和6年1月4日現在)に、大紀町の名前はありません。
つまり大紀町には都市計画区域そのものが定められていない、ということになります。

★このため、大紀町では「市街化区域だから届出で済む」という道がありません。
農地法が届出で足りるとしているのは市街化区域内の農地です(第4条第1項第7号・第5条第1項第6号)。

★統計もそのとおりです。令和5年の大紀町の農地転用24件は、24件すべてが許可で、届出は0件でした。

★大台町・度会町も同じ型です。当サイトが調べた21市町のうち、都市計画区域そのものがないのはこの3町です。


大紀町の農地転用は年間何件ですか?

令和5年は24件です。三重県29市町のなかで21番目に多い町です。

区分 大紀町 三重県計
農地法4条 許可(自己転用) 0 172
農地法5条 許可(転用目的の売買・貸借) 24 1,840
市街化区域内の届出 0 804
合計 24 2,816

★4条が0件です。24件すべてが5条=権利移動を伴う転用でした。
つまり大紀町の転用は、その年に限れば「売る・貸す」とセットで動いています。

⚠ 令和4年は17件でした。単年の増減なので、傾向とは言えません。
⚠ 4条が0件なのも1年ぶんの数字です。「大紀町では自己転用がない」という意味ではありません。

出典は農林水産省「農地の権利移動・借賃等調査」確報 第7編 市町村別編(令和5年)です。推計ではなく実数です。


🔴 建設業をしている方へ:請け負った側にも命令が届きます

農地法は、原状回復等の措置を命じられる相手に、こういう人を含めています。

三 前二号に掲げる者から当該違反に係る土地について工事その他の行為を請け負つた者又はその工事その他の行為の下請人
(農地法第51条第1項第3号)

★違反転用の土地について工事を請け負った者と、その下請人も対象です。
発注者が無許可だった場合、工事をした建設会社と下請にも、原状回復等の命令が届きうるということです。

命令に従わなかった場合は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(農地法第64条第3号)、法人は1億円以下の罰金(同法第67条第1号)。
さらに、命令に従わないと、その旨と土地の地番等が公表されることがあります(同法第51条第3項)。

★大紀町で造成を請け負うときに確かめることは3つです。

#
1 その土地の登記の地目(現況が草地でも「田」「畑」なら農地法の対象)
2 地域計画区域に入っていないか(令和7年4月から、入っていれば転用の前に除外手続が要る)
3 具体的な事業計画があるか(「宅地造成のみを目的とする転用」は原則不許可と町が明記)

★2と3は、どちらも「工事の話をもらった時点では見えていない」ことです。
発注者に確認するか、行政書士に見てもらってから工程を組んでください。

→ 三重県で建設業許可を取るには|窓口・手数料・審査期間
★大紀町で建設業許可を申請する窓口は伊勢建設事務所です(伊勢市勢田町628-2)。管内5市町の郵送の決まりもそちらにまとめてあります。


大紀町の農地転用に対応している行政書士事務所

現在、掲載事務所を募集しています。

事務所をお探しの方は、三重県行政書士会の会員検索をご利用ください。

当サイトについて: 当サイトは行政書士事務所の情報を掲載しているものであり、
紹介・あっせんを行うものではありません。掲載にあたっては、
所属する行政書士会と登録番号を明記しています。
また、事務所同士の優劣比較やランキングは行いません。


よくある質問

Q. 大紀町の農地転用は、どこに出しますか?
A. 大紀町農業委員会(本庁産業振興課内・0598-86-2243)です。許可を出すのも大紀町農業委員会です。大紀町は指定市町村なので、県へは回りません。ただし30アールを超える案件は三重県農業会議への意見聴取が入ります。

Q. 締切はいつですか?
A. 毎月20日です。20日が土曜日、日曜日、祝日の場合は翌開庁日になります(締切は後ろへずれます)。⚠ 桑名市と南伊勢町は同じ「毎月20日」でも前の開庁日=早くなる扱いです。

Q. 総会はいつですか?
A. 申請した月の翌月の定例総会です。大紀町は具体的な開催日を公表していません。町にご確認ください。

Q. 地域計画区域内の農地だと、何が変わりますか?
A. 令和7年4月から、農振除外や農地転用の前に、町による地域計画の変更(除外)手続が必要になりました。地域計画変更の公告後に、農地転用許可の申請をする流れです。該当するかどうかは大紀町農業委員会にお問い合わせください。

Q. 造成だけ先にしておきたいのですが。
A. 大紀町は「具体的な事業計画のない『宅地造成のみを目的とする農地転用』は、原則として許可されません」と明記しています。農地法も、申請に係る用途に遅滞なく供することが確実と認められない場合を不許可の理由に挙げています(第4条第6項第4号・第5条第2項第4号)。

Q. 農業用倉庫を建てたいのですが、許可は要りますか?
A. その農地が2アール(200平方メートル)未満で、農業用施設に変更する場合は、あらかじめ「農地を農業用施設に使用する届出書」を出せば許可は不要です。⚠ ただし農業用施設であることが前提です。資材置場や一般の倉庫は該当しません。また農用地区域内では、別に農振の手続きが必要になることがあります。

Q. 農用地区域(青地)の農地は転用できますか?
A. 原則としてできません。大紀町は「農業振興地域内の農用地区域(青地)にある農地については、原則として転用は許可されません。農用地区域内の除外許可後に転用手続きとなります」と書いています。玉城町は、農振除外の申出が年1回・認可まで概ね10か月と公表しています。

Q. 市街化区域内なら届出で済みますか?
A. 大紀町には都市計画区域そのものがありません。三重県の都市計画区域の一覧(令和6年1月4日現在)に大紀町の記載はなく、令和5年の届出も0件でした。大紀町の転用はすべて許可です。

Q. 手数料はいくらですか?
A. 大紀町は農地転用の手数料を公表していません。(県内で「無」と明記しているのは桑名市です。)