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志摩市の農地転用|2haで申請先が変わる

志摩市の農地転用は、2ha以下なら志摩市が、2haを超えると三重県知事が許可を出します。面積で許可を出す先が変わるのは、三重県29市町のなかで志摩市だけです。受付は毎月15日、現地調査を経て翌月上旬に総会。そしてそのあとに、三重県農業会議の常設審議委員会があります。

このページには、志摩市だから違うことだけを書いています。
制度そのもの(4条と5条のちがい、罰則、許可が下りたあとの報告)は → 三重県の農地転用|申請先と29市町の件数


🔴 志摩市は「2ha」で申請先が変わります

三重県の29市町は、農地転用の許可を出す先で3つに分かれます。志摩市はそのどれとも違う、4つ目の型です。

許可を出すのは 市町
その市町(指定市町村・19市町) 津・四日市・伊勢・松阪・桑名・鈴鹿・名張・亀山・鳥羽・伊賀・東員町・朝日町・多気町・明和町・大台町・玉城町・度会町・大紀町・南伊勢町
★その市町(2ha以下のみ) 志摩市
三重県知事(9市町) いなべ市・尾鷲市・熊野市・木曽岬町・菰野町・川越町・紀北町・御浜町・紀宝町

志摩市の許可申請添付書類一覧にも、はっきりこう書かれています。

農地法第4条の規定による許可申請書(市の許可・・・2ha以下のもの)
農地法第5条の規定による許可申請書(市の許可・・・2ha以下のもの)

★つまり、2haを超える案件は志摩市では完結しません。 三重県知事の許可になります。

⚠ ほかの18の指定市町村は「農地面積に関わらず」市が許可を出します。
たとえば亀山市は「平成29年4月1日からは農地面積に関わらず全ての農地転用許可を亀山市が行う」と明記しています。志摩市だけが面積で線を引いている、ということです。

2haは、どれくらいの広さですか

2ha=20,000㎡=約6,050坪です。 個人の住宅や小さな資材置場なら、まず超えません。
超えるのは、大規模な造成、太陽光発電所、大型の事業用地といった場面です。

★そして、そういう案件ほど工程が長くなります。 志摩市で大きな面積を動かすときは、申請先が県になるかどうかを最初に確かめてください。


★総会のあとに、もう1つ会議があります

志摩市の令和8年度の予定表には、5つの欄があります。

受付〆切 → 現地調査 → 総会 → 諮問〆切 → 常設審議委員会

そして志摩市は、流れをこう注記しています。

受付(前月中旬)⇒現地確認(前月下旬)⇒総会(当月上旬)⇒常設委員会(当月中旬)

★「総会で決まって終わり」ではありません。そのあとに諮問と常設審議委員会が控えています。

この「常設審議委員会」の正体

当サイトは、三重県内の4つの市町の日程表を突き合わせて、この会議の正体を確かめました。

市町 日程表での呼び名
志摩市 常設審議委員会
伊賀市 常設審議委員会 会議開催日
多気町 県諮問日
明和町 (参考)県常設審議委員会

★この4市町の日付は、令和8年度の12回すべてが一致します。
(4月13日・5月11日・6月11日・7月13日・8月12日・9月11日・10月13日・11月11日・12月11日・1月12日・2月12日・3月11日)

呼び名は違っても、同じ会議です。 明和町が「県常設審議委員会」と書いているとおり、市町の会議ではなく、三重県の機関の会議です。

根拠は農地法4条4項です

農地法は、農業委員会が意見を述べようとするとき、あらかじめ都道府県機構の意見を聴かなければならないと定めています。

農業委員会は、前項の規定により意見を述べようとするとき(同項の申請書が同一の事業の目的に供するため三十アールを超える農地を農地以外のものにする行為に係るものであるときに限る。)は、あらかじめ、農業委員会等に関する法律第四十三条第一項に規定する都道府県機構(以下「都道府県機構」という。)の意見を聴かなければならない。
(農地法第4条第4項。第5条第3項で5条にも準用)

この「都道府県機構」が、三重県では三重県農業会議(三重県農業委員会ネットワーク機構)です。
三重県も、担い手支援課の分掌事務に「農業委員会及び農業会議(三重県農業委員会ネットワーク機構)に関すること」と記載しています。

★ここが実務のポイントです。意見を聴くことが義務になるのは「30アールを超える農地」の転用のときだけです。

転用する農地の面積 都道府県機構への意見聴取
30アール(3,000㎡)以下 義務ではない(必要と認めれば聴くことができる/法4条5項)
30アール超 ★あらかじめ意見を聴かなければならない(法4条4項)

→ 3,000㎡が、工程が1段増える分かれ目です。


★30アールを超えると、法律上の期限も倍になります

農地法施行規則は、農業委員会が申請書を送るまでの期間を、日数で定めています。

法第四条第三項の農林水産省令で定める期間は、申請書の提出があつた日の翌日から起算して四十日(同条第四項又は第五項の規定により都道府県機構の意見を聴くときは、八十日)とする。
(農地法施行規則第32条。5条については第57条の6に同じ規定)

農業委員会が送付するまでの期間
通常 40日
都道府県機構の意見を聴くとき(30アール超など) ★80日

★これは「目安」ではなく、省令が定めた期間です。
30アールを超える転用では、農業委員会の手元にある期間だけで最大80日が想定されているということです。

⚠ 志摩市で2ha以下の案件は、市が許可権者なのでこの送付は市の内部で完結します。
ただし2haを超えて三重県知事の許可になる案件では、この40日/80日のあとに、さらに三重県の標準処理期間60日が乗ります。

→ 志摩市で大きな農地を転用するなら、月単位ではなく、季節単位で工程を見てください。


令和8年度の日程(全12回)

受付〆切 現地調査 総会 常設審議委員会
令和8年4月15日 4月23日 5月1日 5月11日
5月15日 5月25日 6月4日 6月11日
6月15日 6月25日 7月7日 7月13日
7月15日 7月24日 8月6日 8月12日
8月14日 8月25日 9月4日 9月11日
9月15日 9月25日 10月6日 10月13日
10月15日 10月26日 11月5日 11月11日
11月16日 11月25日 12月3日 12月11日
12月15日 12月23日 令和9年1月5日 1月12日
令和9年1月15日 1月25日 2月4日 2月12日
令和9年2月15日 2月25日 3月4日 3月11日
  • 受付〆切は原則毎月15日です(8月は14日、11月は16日)
  • 受付から現地調査までは8〜11日
  • 受付から総会までは16〜22日
  • 総会から常設審議委員会までは6〜10日
  • 予定表には「諮問〆切」の欄もあります
  • ⚠ 予定は予告なく変更する場合がありますと注記されています
  • 総会の会場は401会議室と記載されています

⚠ 上の日数は、公表されている予定表から数えた実測です。日程は毎年改められます。


志摩市の必要書類(2ha以下・市の許可)

4条も5条も、申請用紙以外は同じ書類です。

書類 部数 備考
申請用紙 2部
土地登記事項証明書 1部
公図 1部 隣地所有者と地目を記入
管内図(位置図) 1部 1/10,000〜1/50,000程度
付近状況図 1部 住宅地図等 1/500〜1/2,000程度
建物等配置図(土地利用計画図) 1部
資金証明 1部

用途によって、さらに加わります。

  • 宅地に転用する場合……平面図・建物等配置図(土地利用計画図)・取排水経路図・資金証明
  • 資材置場・駐車場等に転用する場合……事業計画書・土地利用計画図・取排水経路図(取排水を伴う場合)・資金証明

🔴 申請書そのものに書く内容が指定されています

志摩市は、添付書類ではなく「申請書に記載すること」を2つ挙げています。

隣地及び関係者には計画を説明し了解を得ている旨、申請書に記載する。
また、万一周辺農地等に被害を及ぼしたときには申請者が責任をもって解決することを申請書に記載する。

★「説明して了解を得た」と書くには、先に説明を済ませておく必要があります。
書類をそろえてから隣地に話をしに行くと、受付〆切に間に合いません。現地調査もあるので、隣地の方の目にも触れます。

  • 土地登記事項証明書の住所と現住所が違う場合は住民票
  • 無断転用の場合は、始末書と現況写真
  • 法人の申請は法人登記事項証明書または定款

志摩市に市街化区域はありません

三重県で区域区分(線引き)が定められているのは、四日市・津・桑名・鈴鹿・松阪の5つの都市計画区域だけです(令和6年1月4日現在)。志摩市は非線引きです。

→ 志摩市では「市街化区域だから届出でよい」という道がありません。すべて許可の手続きになります。
令和5年の統計でも、志摩市の届出は0件でした。


志摩市の農地転用は年間何件ですか?

令和5年は92件です。三重県29市町のなかで11番目に多い市町です。

区分 志摩市 三重県計
農地法4条 許可(自己転用) 7 172
農地法5条 許可(転用目的の売買・貸借) 85 1,840
市街化区域内の届出 0 804
合計 92 2,816

★志摩市は、前の年(令和4年)が48件でした。1年で92件へ、およそ倍になっています。
当サイトが集計した29市町のなかでも、伸び幅の大きいほうです。ただし1年ぶんの動きなので、傾向と呼べるかはまだ分かりません。

出典は農林水産省「農地の権利移動・借賃等調査」確報 第7編 市町村別編(令和5年)です。推計ではなく実数です。


建設業をしている方へ

次のような場面で、建設会社そのものが農地転用の当事者になります。

  • 資材置場・重機置場をつくる
  • 自社の車庫・倉庫・作業員の宿舎をつくる
  • 造成工事を請け負ったが、その土地が農地だった

志摩市では、資材置場・駐車場等に転用する場合、事業計画書と取排水経路図が要ります。
そして面積が2haを超えれば、相手は志摩市ではなく三重県になります。
30アール(3,000㎡)を超えれば、県の常設審議委員会の工程が入ります。

★「どの面積を超えると、どこが増えるか」を先に押さえておくと、工程を読み違えません。

→ 三重県で建設業許可を取るには|窓口・手数料・審査期間


ほかの市町とは、やり方が違います

志摩市 伊賀市 亀山市
許可を出すのは ★2ha以下は志摩市/2ha超は三重県知事 伊賀市(面積制限なし) 亀山市(面積制限なし)
受付〆切 原則毎月15日 各月17〜20日前後 原則毎月15日
現地調査の日 ★公表あり 公表なし ★公表あり
総会 翌月上旬 翌月10日前後 翌月10日
総会のあと ★常設審議委員会(6〜10日後) ★常設審議委員会(1〜4日後) 公表なし
市街化区域 なし(届出0件) なし(届出0件) なし(届出0件)

★志摩市と伊賀市は、どちらも総会のあとに常設審議委員会があります。
同じ会議です。総会からの日数が違うのは、それぞれの総会の日が違うからです。


志摩市の農地転用に対応している行政書士事務所

現在、掲載事務所を募集しています。

事務所をお探しの方は、三重県行政書士会の会員検索をご利用ください。

当サイトについて: 当サイトは行政書士事務所の情報を掲載しているものであり、
紹介・あっせんを行うものではありません。掲載にあたっては、
所属する行政書士会と登録番号を明記しています。
また、事務所同士の優劣比較やランキングは行いません。


よくある質問

Q. 志摩市の農地転用は、どこに出しますか?
A. 志摩市農業委員会事務局です(0599-44-0288。志摩市阿児町鵜方3098番地22)。2ha以下なら許可を出すのも志摩市ですが、2haを超えると三重県知事の許可になります。

Q. なぜ志摩市だけ2haで分かれるのですか?
A. 志摩市が受けている権限移譲が「2ha以下」に限られているためです。三重県の資料でも、志摩市だけが「2ha以下」と区別されています。ほかの18の指定市町村は面積の制限がありません。

Q. 受付の締切はいつですか?
A. 原則毎月15日です。令和8年度は8月が14日、11月が16日になっています。そこから現地調査が8〜11日後、総会は16〜22日後です。

Q. 総会で決まれば許可ですか?
A. 総会のあとに常設審議委員会があります。志摩市は流れを「受付(前月中旬)⇒現地確認(前月下旬)⇒総会(当月上旬)⇒常設委員会(当月中旬)」と公表しています。

Q. 常設審議委員会とは何ですか?
A. 三重県農業会議(三重県農業委員会ネットワーク機構)の会議です。農地法第4条第4項は、30アールを超える農地の転用について、農業委員会があらかじめ都道府県機構の意見を聴かなければならないと定めています。伊賀市・多気町・明和町の日程表にも同じ日付で載っています。

Q. 30アールを超えると、どれくらい延びますか?
A. 農地法施行規則は、農業委員会が申請書を送るまでの期間を通常40日、都道府県機構の意見を聴くときは80日と定めています(第32条・第57条の6)。倍になります。

Q. 隣の人に話を通す必要がありますか?
A. 志摩市は「隣地及び関係者には計画を説明し了解を得ている旨、申請書に記載する」と求めています。書類をそろえる前に済ませておく必要があります。

Q. 市街化区域なら届出で済みますか?
A. 志摩市に市街化区域はありません。三重県で線引きがあるのは四日市・津・桑名・鈴鹿・松阪の5つの都市計画区域だけです。志摩市はすべて許可の手続きになります。

Q. 手数料はいくらですか?
A. 志摩市は農地転用の手数料を公表していません。(県内で「無」と明記しているのは桑名市です。)