建設業許可について、全国どこでも共通するルールをまとめています。
建設業法と各都道府県が公表している手引にあたって作成しており、記事ごとに調査日と出典を明記しています。
申請の窓口・手数料の納め方・審査期間は都道府県ごとに違います。 そちらは都道府県から探すをご覧ください。
はじめての方は、この順で確認してください
建設業許可は「取れるかどうか」を先に確かめる手続きです。 知事許可の申請手数料9万円は、要件を満たしておらず不許可になっても返ってきません。順番を逆にすると、お金と時間の両方を失います。
| 順 | 確認すること | 目安の期間 | 詳しくは |
|---|---|---|---|
| 1 | そもそも許可が必要な工事か(500万円の判定) | 数分 | 下の① |
| 2 | 5つの要件を満たしているか(ここが最難関) | 1〜2週間 | 下の② |
| 3 | 費用と期間の見当をつける | 数分 | 下の③ |
| 4 | 自分でやるか、行政書士に頼むかを決める | — | 行政書士に頼むといくら |
| 5 | 書類を集めて申請する | 1〜2か月 | 新規申請の流れ |
とくに2です。 要件の証明ができないことが後から分かると、そこで止まります。
① 自分の工事に、そもそも許可が必要か
請負代金500万円以上(税込)の工事から必要です。 建築一式工事だけは1,500万円以上が基準です。
法律の書き方は「500万円以上だから必要」ではなく、「軽微な建設工事だけを請け負うなら許可が要らない」となっています(建設業法施行令 第1条の2)。
間違えやすいのは、次の3点です。
| 間違えやすいところ | |
|---|---|
| 消費税 | 税込で判定します。 税抜455万円あたりが分かれ目で、税抜470万円の工事は税込517万円=許可が必要です |
| 材料の支給 | 施主が材料を用意した場合、その材料の市場価格と運送費を請負代金に加えて判定します |
| 工事の分割 | 2回に分けても合計額で判定します。分割しても許可が不要になることはありません |
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② 5つの要件を満たしているか
要件は5つです(建設業法 第7条・第15条・第8条)。このうち1と2でつまずく方がほとんどです。
| # | 要件 | つまずきやすさ | 何が必要か |
|---|---|---|---|
| 1 | 経営業務の管理を適正に行う能力 Ⅰ 適切な経営能力/Ⅱ 適切な社会保険等への加入 |
★最難関 | 建設業の経営経験を書類で証明できること |
| 2 | 専任技術者がいること | ★難関 | 資格、または実務経験10年の証明 |
| 3 | 請負契約に関する誠実性 | 低 | — |
| 4 | 財産的基礎または金銭的信用 | 中 | 500万円以上の残高証明など |
| 5 | 欠格要件に該当しないこと | 低 | 役員全員分の証明書類 |
1と2が難しいのは、条件そのものより「証明する書類が集まるか」だからです。 過去の工事の契約書や、前の勤務先の在籍証明が必要になることがあり、自分の努力では短縮できません。
特定建設業の許可を取る場合は、2の技術者要件と4の財産的基礎が加重されます。
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⚠ ここでいう「専任技術者(営業所技術者)」は、営業所に置く人です。工事現場に置く「主任技術者・監理技術者」は別の制度です。
③ 費用と期間の見当をつける
手数料と行政書士報酬は別のお金です。 見積もりを比べるときは、ここが混ざっていないかを必ず確認してください。
| 手続き | 申請手数料 | 行政書士報酬の目安 | 合計の目安 |
|---|---|---|---|
| 新規(知事許可) | 90,000円 | 100,000〜200,000円 | 19〜29万円 |
| 更新 | 50,000円 | 40,000〜80,000円 | 9〜13万円 |
| 業種追加 | 50,000円 | 50,000〜100,000円 | 10〜15万円 |
| 決算変更届(毎年) | 0円 | 30,000〜50,000円 | 3〜5万円 |
手数料について、知っておくと得なことが2つあります。
- 新規は1業種でも5業種でも9万円です。 最初にまとめて業種を取るほうが、あとから業種追加(5万円)をするより安く済みます
- 知事許可の9万円は、不許可でも返還されません。 「とりあえず申請してみる」ができない手続きです
期間は、申請してから許可までがおおむね1〜2か月です。 それ以前に、書類集めと作成に1〜2か月かかります。
申請と更新の手続き
許可を取ったあとも、やることは続きます。 とくに決算変更届は毎事業年度経過後4か月以内の提出義務があり、出していない年度があると更新申請にたどり着けません。
- 建設業許可の新規申請|流れと必要書類、取得までの期間
- 建設業許可の更新|5年ごと、いつから申請できるか
- 建設業許可の更新を忘れた・期限が切れたらどうなる?
- 決算変更届を何年も出していない|更新できる?罰則は?
- 業種追加と般・特新規のちがい|申請区分の選び方と手数料
- 知事許可と大臣許可/一般と特定のちがい|どちらを取ればいいか
- 建設業許可の電子申請(JCIP)の使い方とgBizIDの取り方
- 主任技術者と監理技術者のちがい|現場に置く技術者
- 監理技術者補佐とは|2現場を兼務できる制度
- 建設業許可の承継|事業譲渡・合併・相続(令和2年10月から、認可で引き継げます)
- 建設業許可の変更届|2週間と30日(期限が3種類あります)
全国共通のことと、都道府県で違うこと
このページにまとめているのは、左の列(全国共通)です。
| 全国どこでも同じ | 都道府県ごとに違う |
|---|---|
| 500万円・1,500万円の基準 | 申請の窓口(県庁とは限りません) |
| 5つの要件(建設業法 第7条・第15条・第8条) | 手数料の納め方(収入証紙・現金・電子など) |
| 申請手数料の額(知事9万円/更新5万円) | 審査にかかる期間 |
| 29業種の区分 | 更新の受付開始時期(満了日の3か月前が多い) |
| 有効期間5年 | 提出部数・独自の様式・県独自の運用 |
「他県で工事をするなら大臣許可が必要」というのは誤りです。 知事許可でも全国どこでも工事はできます。区分を決めるのは営業所をどこに置いているかだけです(→知事許可と大臣許可)。
三重県で申請する方へ
三重県知事許可の申請先は管轄の建設事務所で、県庁ではありません。市ごとの担当窓口・手数料の納め方・審査期間をまとめています。
あわせて、三重県が公表している建設業許可業者名簿7,291件を当サイトで全件集計し、市町別・業種別の内訳を掲載しています。 この集計は三重県も公表していません。
→ 三重県で建設業許可を取るには|窓口・手数料・審査期間まとめ
よくある質問
Q. 許可を取るまでに、全部でどれくらいかかりますか?
A. 書類集めと作成に1〜2か月、申請してから許可までがおおむね1〜2か月です。とくに時間が読めないのが役員全員分の証明書類の取り寄せで、遠方に本籍がある方がいると郵送で1〜2週間かかります。申請を決めたら、まずここに着手してください。
Q. どの要件でつまずく人が多いですか?
A. 経営業務の管理を適正に行う能力(要件1)と、専任技術者(要件2)です。条件そのものより、過去の経験を書類で証明できるかが壁になります。
Q. 自分で申請することはできますか?
A. できます。手数料9万円だけで済みます。ただし不許可でも9万円は返還されないため、要件の確認だけは慎重に行ってください。判断に迷う点があるなら、要件確認だけを専門家に見てもらうという方法もあります。
Q. 500万円未満の工事しかしませんが、許可を取る意味はありますか?
A. 元請から求められて取得するケースが実際にあります。許可があること自体が取引の条件になっている場合があるためです。詳しくは元請から建設業許可を求められたをご覧ください。
Q. 許可が要らない工事なら、建設業法は関係ありませんか?
A. 関係あります。軽微な建設工事だけを請け負う場合でも、請負契約を書面で締結する義務など、建設業法のルールは同じように適用されます。
Q. 更新を忘れて許可が切れたら、更新(5万円)で済みますか?
A. 済みません。あらためて新規(9万円)としての申請になり、要件の証明も一からやり直しです。→更新を忘れた・期限が切れたらどうなる