建設業許可は29業種に分かれています。内訳は「2つの一式工事」と「27の専門工事」です。許可は業種ごとに受けるため、自社が請け負う工事がどの業種にあたるかを正しく判断する必要があります。
業種の選択は、許可申請でいちばん最初にやることです。
そして、ここを間違えると無許可営業や技術者配置義務違反に直結します。
三重県の手引にも「業種の区分は法令違反に直結するため、関係法令等に基づき適切に整理する必要がある」と明記されています。
2つの一式工事
| 業種名(許可の名称) | 工事の内容 |
|---|---|
| 土木一式工事(土木工事業) | 総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事 |
| 建築一式工事(建築工事業) | 総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事 |
一式工事は「規模が大きい工事」という意味ではありません。
- 2つ以上の専門工事を有機的に組み合わせて、独立の使用目的がある土木工作物・建築物を造る工事
- または、規模・複雑性等から総合的な企画・指導・調整を必要とし、個別の専門工事として施工することが困難な工事
★重要:一式工事の許可だけでは、個々の専門工事を「単体で」請け負えません(500万円以上の場合)。
詳しくは建築一式工事だけ1,500万円なのはなぜ?をご覧ください。
27の専門工事(三重県の業者数つき)
数字は三重県知事許可の業者7,291社のうち、その業種の許可を持つ業者数です(令和8年6月末日現在/当サイト集計)。
自分の業種にどれだけの事業者がいるかの目安にしてください。
| 業種名(許可の名称) | 代表的な工事 | 三重県の業者数 |
|---|---|---|
| とび・土工・コンクリート工事業 | 足場の組立て、くい打ち、土工事、コンクリート工事、法面処理 | 3,053 |
| 舗装工事業 | アスファルト舗装、コンクリート舗装、路盤築造 | 2,003 |
| 管工事業 | 冷暖房設備、給排水・給湯設備、空調配管、衛生設備 | 1,812 |
| 鋼構造物工事業 | 鉄骨工事、橋梁、鉄塔、水門 | 1,782 |
| 水道施設工事業 | 取水・浄水・配水施設、公共下水道・流域下水道の処理設備 | 1,615 |
| 石工事業 | 石積み、コンクリートブロック積み、擁壁 | 1,409 |
| 解体工事業 | 工作物の解体 | 1,301 |
| 塗装工事業 | 塗装、溶射、ライニング、路面標示 | 1,215 |
| しゅんせつ工事業 | 河川・港湾等の水底をさらう工事 | 1,207 |
| 電気工事業 | 発電設備、送配電線、構内電気設備、照明設備 | 967 |
| 内装仕上工事業 | インテリア、天井・壁・床仕上げ、たたみ、ふすま、家具 | 956 |
| 大工工事業 | 大工工事、型枠工事、造作工事 | 886 |
| 屋根工事業 | 屋根ふき(瓦・スレート・金属薄板等) | 723 |
| タイル・れんが・ブロック工事業 | タイル張り、れんが積み、コンクリートブロック積み(張り) | 611 |
| 機械器具設置工事業 | プラント設備、運搬機器設置、内燃力発電設備、給排気機器設置 | 563 |
| 防水工事業 | アスファルト防水、モルタル防水、シーリング | 477 |
| 造園工事業 | 植栽、地被、景石、緑地育成、公園設備 | 449 |
| 板金工事業 | 板金加工取付け、建築板金 | 424 |
| 建具工事業 | サッシ取付け、シャッター取付け、金属製建具取付け | 398 |
| 左官工事業 | 左官、モルタル、吹付け、とぎ出し、洗い出し | 349 |
| ガラス工事業 | ガラス加工取付け、ガラスフィルム | 292 |
| 鉄筋工事業 | 鉄筋加工組立て、鉄筋継手 | 266 |
| 熱絶縁工事業 | 冷暖房・冷凍冷蔵設備・動力設備等の熱絶縁、ウレタン吹付け断熱 | 265 |
| 消防施設工事業 | 屋内消火栓、スプリンクラー、火災報知設備、避難設備 | 216 |
| 電気通信工事業 | 有線・無線電気通信設備、ネットワーク設備、放送機械設備 | 212 |
| さく井工事業 | さく井、観測井、還元井、温泉掘削 | 8 |
| 清掃施設工事業 | ごみ処理施設、し尿処理施設 | 3 |
数字から見えること:
とび・土工・コンクリートが3,053社で最多(全体の41.9%)。土木一式2,601社、建築一式2,199社と続きます。
逆にさく井8社、清掃施設3社はきわめてニッチで、県内でも数えるほどしかありません。
★解体工事業は比較的新しい業種です
解体工事業は、平成28年(2016年)6月に新設された29番目の業種です。
それ以前は、とび・土工・コンクリート工事業の中で扱われていました。
経過措置を経て許可を取得した業者が、5年ごとの更新期を順次迎えています。
三重県では1,301社(17.8%)が解体工事業の許可を持っており、決して少なくありません。
比較的新しい業種のため、手続きの情報が他の業種ほど蓄積されていないという事情もあります。
なお、建設業許可(解体工事業)を持っていない場合でも、税込500万円未満の解体工事を行うには、
建設リサイクル法に基づく「解体工事業の登録」が必要です。
→ 建設業許可はいくらから必要?500万円の基準
業種選びで間違えやすいところ
① 「うちは内装だから内装仕上工事」とは限らない
同じ「内装」でも、造作を伴えば大工工事、建具の取付けなら建具工事にあたる場合があります。
発注書の名称ではなく、実際の施工内容で判断してください。
② 一式工事と専門工事を取り違える
元請として建物一棟を請け負うなら建築一式ですが、
専門工事を単体で請け負うならその専門工事です。金額の大きさでは決まりません。
③ 業種をまたぐ工事
1つの工事に複数の業種が含まれることは普通にあります。
主たる工事に付随する軽微なものは附帯工事として扱える場合がありますが、
500万円を超える附帯工事は、主任技術者を置くか、その専門工事の許可業者に下請けに出す必要があります。
④ 業種は後から追加できます(ただし有料)
最初の申請では、手数料は業種数に関係なく一律9万円です。
あとから業種追加をすると、別途5万円かかります。
よく請け負う工事の業種は、最初にまとめて申請しておくほうが安く済みます。
→ 業種追加と般・特新規のちがい
業種ごとに技術者が必要です
営業所技術者(旧・専任技術者)は、業種ごとに要件を満たす必要があります。
1人が複数業種の要件を満たしていれば、同一営業所内で兼ねられます。
逆に、要件を満たす人がいない業種は、許可を取れません。
「取りたい業種」ではなく「技術者を用意できる業種」から考える必要がある、ということです。
→ 専任技術者(営業所技術者)の要件
判断に迷ったら
契約の前に、許可行政庁の窓口へ相談してください。
業種の区分の誤りは、無許可営業・技術者配置義務違反・一括下請負といった法令違反に直結します。
三重県の手引でも「疑義がある場合は個別に各建設事務所へ相談してください」と案内されています。
相談は無料です。 判断がつかないまま契約するより、はるかに安全です。
お住まいの都道府県の情報
| 都道府県 | ページ |
|---|---|
| 三重県 | 三重県で建設業許可を取るには |
※順次追加していきます。
よくある質問
Q. 29業種すべての許可を取ることはできますか?
A. 制度上は可能ですが、業種ごとに営業所技術者の要件を満たす必要があるため、現実的ではありません。実際に請け負う業種に絞るのが一般的です。
Q. 複数業種を申請しても手数料は同じですか?
A. 同じです。新規申請なら業種数にかかわらず9万円です(知事許可の場合)。
Q. 業種の名称と、工事の名称が一致しません。
A. 建設業法上の業種名と、現場での呼び方は一致しないことがよくあります。実際の施工内容で判断してください。
Q. 使わなくなった業種は取り消せますか?
A. 廃業の届出により、業種を減らすことができます。更新時に書類の負担を減らせます。
Q. 三重県の業者数はどこの数字ですか?
A. 三重県が公開している建設業許可業者名簿(令和8年6月末日現在・知事許可7,291社)を当サイトで全件集計したものです。大臣許可は含みません。