建設業許可を行政書士に頼むといくら?自分で申請する場合との比較

新規申請の代行報酬は10〜20万円が目安です。申請手数料9万円と合わせると、総額20〜30万円が新規取得の相場になります。更新は報酬4〜8万円+手数料5万円で、9〜13万円程度です。

「頼むべきか、自分でやるべきか」——この判断は、金額だけでは決まりません。

自分で申請すれば報酬分は浮きますが、書類の準備に20〜40時間かかり、不備があれば許可がその分遅れます。
逆に、期限に余裕があって書類が揃っている会社なら、自分で申請する価値は十分あります。

この記事では、判断に必要な材料を全部並べます。


相場はいくらですか?

手続きの種類によって決まっています。

手続き 手数料(行政に払う) 行政書士報酬の目安 合計の目安
新規(知事許可) 90,000円 100,000〜200,000円 19〜29万円
更新 50,000円 40,000〜80,000円 9〜13万円
業種追加 50,000円 50,000〜100,000円 10〜15万円
決算変更届(毎年) 0円 30,000〜50,000円 3〜5万円
経営事項審査(経審) 別途 50,000〜100,000円
各種変更届 0円 10,000〜30,000円 1〜3万円

行政書士の報酬は、各事務所が自由に設定できます。 統一された基準はありません。
そのため、同じ手続きでも事務所によって金額に幅があります。

※上記は調査時点の目安です。実際の金額は各事務所にご確認ください。


なぜ報酬に幅があるのですか?

案件によって作業量がまったく違うからです。

同じ「新規申請」でも、次の条件で手間が大きく変わります。

報酬が上がりやすい条件 理由
★専任技術者を実務経験10年で証明する 10年分の工事請負契約書・注文書を精査する必要がある。 最も工数がかかる
経営経験を過去の会社で証明する 前職の登記簿や契約書の取り寄せ、事実関係の整理が必要
役員が多い 「登記されていないことの証明書」「身分証明書」を役員全員分取り寄せる
役員の本籍が遠方にある 郵送での取り寄せに1〜2週間
決算変更届が未提出 未提出年度分をさかのぼって作成する必要がある(→ 詳しくはこちら
特定建設業の許可 技術者要件・財産要件が加重され、確認資料が増える
複数の営業所がある 営業所ごとに技術者と実態の証明が必要

逆に、資格保有者が社内にいて、経営経験も現在の会社で証明でき、役員が1〜2人という会社であれば、
報酬は相場の下限に近くなります。

見積もりを取るときは、この条件を先に伝えてください。 正確な金額がすぐ出てきます。


見積もりで、何を確認すればいいですか?

次の5点は必ず確認してください。 ここを揃えないと、事務所ごとの金額を比べられません。

# 確認すること なぜ必要か
1 申請手数料(9万円)は含まれているか 「報酬10万円」と「総額10万円」ではまったく違う。表示方法が事務所により異なる
2 証明書の取得費用(実費)は含まれているか 数千円だが、含む・含まないで表示が変わる
3 証明書の取り寄せまでやってもらえるか 「書類作成のみ」の場合、役所回りは自分で行うことになる
4 不許可だった場合の扱い 手数料9万円は返還されない。報酬の扱いを事前に確認する
5 許可取得後の顧問契約が前提になっていないか 決算変更届を毎年依頼する前提の価格設定になっている場合がある

とくに1です。 「10万円」という表示を見て安いと思ったら報酬のみで、手数料9万円が別だった——というのは実際によくあるすれ違いです。
「総額でいくらですか」と聞くのが確実です。


自分で申請することはできますか?

できます。 建設業許可の申請に、行政書士への依頼は義務づけられていません。

自分で申請する場合のコストは次のようになります。

かかるもの 内容
手数料 90,000円
実費(証明書類) 2,000〜8,000円
時間 20〜40時間程度(初めての場合。手引の読み込み・書類作成・役所回り)
やり直しのリスク 不備があれば補正。補正に要した期間は審査期間に含まれないため、その分だけ許可が遅れる

各都道府県が申請の手引を無料で公開しています。三重県の手引は123ページありますが、
必要な部分を読み込めば、自分で申請することは十分に可能です。


どちらを選べばいいですか?

判断の基準は「いつまでに許可が必要か」と「証明の難易度」の2つです。

自分で申請してよいケース

  • 期限に余裕がある(3か月以上)
  • 専任技術者が資格保有者(実務経験10年の証明が不要)
  • 経営経験を現在の会社で証明できる(前職の資料を取り寄せる必要がない)
  • 役員が1〜2人
  • 決算変更届が未提出の年度がない

この条件が揃っていれば、自分で申請する価値は十分にあります。

依頼を検討したほうがよいケース

  • 元請から期日を切られている
  • 更新期限が迫っている(→ 更新を忘れた場合
  • 専任技術者を実務経験10年で証明する必要がある
  • 決算変更届が何年分もたまっている
  • 本業が忙しく、20〜40時間を確保できない

とくに「実務経験10年の証明」と「決算変更届の遡り」は、経験の差が最も出る作業です。
慣れている人なら短時間で終わることに、初めてだと何週間もかかることがあります。


事務所はどう選べばいいですか?

金額だけで選ぶと、結果的に高くつくことがあります。
次の観点を、金額と合わせて確認してください。

観点 確認の方法
建設業許可を扱っているか 行政書士の業務範囲は広く、扱う分野は事務所によって違います。 建設業許可を専門にしている事務所もあれば、相続や在留資格を中心にしている事務所もあります
登録番号と所属会 行政書士は都道府県の行政書士会に登録しています。登録番号と所属会が明示されているかを確認できます
料金を公開しているか 公開している事務所は、見積もりの前提が分かりやすい
対応エリア 窓口が管轄の建設事務所になるため、地域の運用に慣れている事務所は手続きが早い
連絡の取りやすさ 補正対応のやり取りが発生します。連絡手段と対応時間を確認しておく

当サイトは、事務所の優劣やランキングを掲載していません。
事案の内容によって適した事務所が変わるためです。
各事務所の対応業務・料金の公開状況・登録番号・対応エリアといった客観的な情報を掲載していますので、
ご自身の状況に照らして比較してください。


お住まいの都道府県の事務所を探す

建設業許可は、営業所の所在地を管轄する都道府県の窓口へ申請します。
地域の運用に慣れている事務所を選ぶと、手続きがスムーズです。

都道府県 掲載事務所
三重県 三重県の建設業許可に対応している行政書士事務所

※順次追加していきます。


よくある質問

Q. 行政書士以外に依頼できますか?
A. 官公署に提出する書類の作成・提出代行は、行政書士の業務です。建設業許可の申請代行は行政書士にご依頼ください。

Q. 顧問税理士に頼めますか?
A. 決算書の作成は税理士の業務ですが、建設業法の様式への組み替えと申請書類の作成・提出は行政書士の業務です。両者が連携しているケースもあります。

Q. 報酬はいつ払いますか?
A. 事務所によって異なります。着手時に一部、許可後に残金という形が多く見られますが、契約前に確認してください。

Q. 許可が下りなかった場合、報酬は返ってきますか?
A. 事務所の契約内容によります。申請手数料9万円は、不許可でも返還されません。 報酬の扱いは契約前に必ず確認してください。

Q. 遠方の事務所に頼んでも問題ありませんか?
A. 依頼できます。ただし、窓口は営業所の所在地を管轄する建設事務所になるため、その地域の運用に慣れている事務所のほうが手続きが早い傾向があります。