建設業許可の新規申請にかかる手数料は、知事許可が9万円、大臣許可が15万円です。更新と業種追加はどちらも5万円。これに証明書類の実費が数千円、行政書士に依頼する場合は報酬が別途かかります。
「建設業許可はいくらかかりますか」と聞かれたとき、答えは1つではありません。
申請の区分(新規なのか更新なのか)で手数料が変わり、自分で申請するか依頼するかでも総額が変わります。
この記事では、行政に払うお金/実費/専門家報酬の3つに分けて、順番に整理します。
建設業許可の申請手数料は、いくらですか?
申請の区分によって決まっています。 全国共通の金額です。
| 申請区分 | 一般・特定のどちらか一方 | 一般と特定の両方 |
|---|---|---|
| 新規 | 90,000円 | 180,000円 |
| 許可換え新規 | 90,000円 | 180,000円 |
| 般・特新規 | 90,000円 | — |
| 業種追加 | 50,000円 | 100,000円 |
| 更新 | 50,000円 | 100,000円 |
| 般・特新規+業種追加 | 140,000円 | — |
| 般・特新規+更新 | 140,000円 | — |
| 業種追加+更新 | 100,000円 | 150,000円 または 200,000円 |
| 般・特新規+業種追加+更新 | 190,000円 | — |
※上表は知事許可の場合。大臣許可は新規150,000円(登録免許税)、更新50,000円です。
業種をいくつ申請しても、手数料は変わりません。
1業種でも5業種でも新規なら9万円です。ここは意外と知られていないところで、
最初の申請でまとめて業種を取っておくほうが、あとから業種追加(5万円)をするより安く済みます。
知事許可と大臣許可で、お金の性質が違うのはなぜですか?
知事許可は「手数料」、大臣許可は「登録免許税」だからです。この違いが、返還されるかどうかを分けます。
| 知事許可 | 大臣許可 | |
|---|---|---|
| 名称 | 許可手数料 | 登録免許税 |
| 納付のタイミング | 申請時 | 許可されたとき |
| 不許可だった場合 | 返還されません | 納付前なので発生しません |
ここは費用の話の中でいちばん重要な論点です。
知事許可の9万円は「審査してもらうための手数料」なので、要件を満たしておらず不許可になっても戻ってきません。
つまり、要件を確認しないまま「とりあえず申請してみる」は、9万円を失うリスクがあるということです。
申請の前に、要件を満たしているかを必ず確認してください。
→ 建設業許可の5つの要件をまとめて解説
手数料はどうやって納めますか?
都道府県によって納付の方法が違います。 ここは全国共通ではありません。
多くの県では収入証紙を購入して納付書に貼付する方式ですが、
現金納付や電子納付(ペイジー)を採用している自治体もあります。
★間違えやすい点: 県が発行する「収入証紙」と、国が発行する「収入印紙」は別物です。
三重県の手引にも、わざわざ「『収入印紙』とお間違えないようにご注意ください」という注意書きが入っています。
郵便局で収入印紙を買ってしまい、受け付けてもらえなかったという失敗が実際に起きています。
また、電子申請システム(JCIP)を使う場合は、ペイジーによるインターネットバンキング納付のみになる自治体があります。
お住まいの都道府県の方式は、県ページでご確認ください。
手数料以外に、どんな実費がかかりますか?
証明書類の取得費用として、数千円かかります。
新規申請で必要になる主な証明書は次のとおりです。
| 書類 | 取得先 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 登記されていないことの証明書 | 法務局 | 300円(収入印紙) |
| 身分証明書 | 本籍地の市区町村 | 200〜400円程度 |
| 商業登記の履歴事項全部証明書 | 法務局 | 600円(窓口交付) |
| 納税証明書(事業税・県民税) | 県税事務所 | 400円程度 |
| 印鑑証明書 | 市区町村 | 300円程度 |
| 住民票 等 | 市区町村 | 300円程度 |
注意すべきなのは「枚数」です。
「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」は、法人の役員等・個人事業主本人・令3条の使用人(支店長など)の全員分が必要になります。
役員が5人いれば5人分。遠方に本籍がある役員がいると、郵送での取り寄せに1〜2週間かかります。
金額よりも、この待ち時間がスケジュールを圧迫します。
実費の合計目安:
– 役員1人の小規模な会社 … 2,000〜3,000円程度
– 役員5人の会社 … 5,000〜8,000円程度
行政書士に依頼すると、いくらかかりますか?
新規申請の代行報酬は、10〜20万円程度が相場です。
例えば三重県では、14万円〜という価格を公開している事務所があります。
手数料9万円と合わせると、総額23万円前後が新規申請の目安になります。
| 手続き | 手数料(行政に払う) | 行政書士報酬の目安 | 合計の目安 |
|---|---|---|---|
| 新規(知事許可) | 90,000円 | 100,000〜200,000円 | 19〜29万円 |
| 更新 | 50,000円 | 40,000〜80,000円 | 9〜13万円 |
| 業種追加 | 50,000円 | 50,000〜100,000円 | 10〜15万円 |
| 決算変更届(毎年) | 0円 | 30,000〜50,000円 | 3〜5万円 |
報酬に幅があるのは、案件によって手間がまったく違うからです。
とくに専任技術者を実務経験10年で証明する場合は、10年分の契約書を精査する作業が発生するため、報酬が上がる傾向にあります。
見積もりを取るときは、「実務経験での証明が必要か」「役員が何人か」を先に伝えると、正確な金額が出てきます。
→ 費用の内訳や、自分で申請する場合との比較は「行政書士に頼むといくら?自分で申請する場合との比較」で詳しく解説しています。
自分で申請すれば、手数料だけで済みますか?
お金だけを見ればそのとおりです。ただし、時間がかかります。
自分で申請する場合の実質的なコストは次のようになります。
| かかるもの | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 90,000円 |
| 実費 | 2,000〜8,000円 |
| 時間 | 書類の準備・作成に20〜40時間程度(初めての場合) |
| やり直しのリスク | 不備があれば補正。補正に要した期間は審査期間に含まれないため、その分だけ許可が遅れる |
判断の分かれ目は「いつまでに許可が必要か」です。
- 期限に余裕がある → 自分でやる価値はあります。手引を読み込めば十分可能です
- 元請から期日を切られている/更新期限が迫っている → 依頼したほうが確実です
費用を抑えるコツはありますか?
3つあります。
① 最初の申請で、必要な業種をまとめて取る
手数料は業種数に関係なく一律です。あとから業種追加すると、別途5万円かかります。
② 更新のタイミングを揃える(許可の一本化)
業種ごとに許可の有効期間がバラバラだと、そのたびに更新手数料5万円が発生します。
業種追加や般・特新規の申請に合わせて更新をまとめると、以降は作成書類も手数料も1回で済みます。
③ 決算変更届を毎年きちんと出す
更新のときに未提出の年度分をまとめて作ることになると、その分の報酬が上乗せされます。
毎年出しておくほうが、結果的に安くつきます。
お住まいの都道府県の情報
手数料の額は全国共通ですが、納付の方法(収入証紙・現金・ペイジー)は都道府県ごとに違います。
| 都道府県 | ページ |
|---|---|
| 三重県 | 三重県で建設業許可を取るには |
※順次追加していきます。
よくある質問
Q. 申請を取り下げた場合、手数料は返ってきますか?
A. 知事許可の申請手数料は返還されません。不許可の場合も同様です。
Q. 業種を追加するたびに9万円かかりますか?
A. かかりません。すでに許可を持っている状態で業種を追加する場合は「業種追加」となり、手数料は5万円です。
Q. 更新を忘れて許可が切れた場合、更新(5万円)で済みますか?
A. 済みません。許可が失効すると、あらためて新規(9万円)として申請することになります。金額だけでなく、要件の証明も一からやり直しになります。詳しくは更新を忘れた・期限が切れたらどうなるをご覧ください。
Q. 行政書士に頼むと、実費も報酬に含まれていますか?
A. 事務所によって異なります。「報酬10万円+実費別」という表示が一般的ですが、手数料9万円を含んだ総額で表示している事務所もあります。見積もりを比べるときは、手数料込みかどうかを必ず確認してください。