建設業許可の要件

建設業の許可をとるための要件は、次のような大きく3つの要件と、人に関する要件3つがあります。

  1. 人の要件
  2. 人の要件には、さらに次の3つがあります。

    • 事業主、役員等が欠格事由等に該当しないこと
    • 建設業に関する経営経験(経営業務管理責任者の配置)
    • 資格・実務経験等を有する技術者の配置(専任技術者の配置)
  3. 財務要件
  4. 財産的基礎・金銭的信用を有すること

  5. 営業所要件
  6. 建設業の営業を行う事務所があること

各要件の内容について、本ページに以下を掲載しております。

  1. 欠格事由について
  2. 経営業務管理責任者(経管
  3. 責任技術者
  4. 財産的基礎
  5. 営業所要件

【1】欠格事由について

欠格事由には次のようなものがあります(建設業法第8条参照)。法人の役員や個人事業主、支配人や支店長が、いずれかに該当する場合は許可されません。

  1. 成年被後見人もしくは被保佐人、または破産者で復権を得ない者
  2. 建設業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
  3. 営業の停止・禁止を命ぜられ、その停止・禁止の期間が経過しない者
  4. 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  5. 建設業法、刑法その他一定の法律等の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  6. 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、その法定代理人が欠格事由に該当する者
  7. 法人の役員や政令で定める使用人で欠格事由に該当する者

【2】経営業務管理責任者

経営業務の管理責任者を略して「経管」と呼んだりします(以下、経管とします)。

建設業の経営は他の産業とは異なる特徴を有するため、一定期間の経験を有する者が建設業の経管として、少なくとも1名、常勤していることが求められます。

経管としての経験は、原則として、会社の(代表)取締役、個人事業主、支配人、支店長、営業所長といった営業取引上対外的認責任を有する地位にあった者で、経営業務の執行等経営業務について総合的に管理した経験を有する者ということになります。そのため、監査役や会計参与は含まれません。

申請時には、証明者(例えば、過去の勤務先の代表者等)から経管としての経験を有することを、様式第7号「経営業務の管理責任者の証明書」に記名押印して証明してもらいます。

自社での経験であれば、工事に関する資料も比較的見つけやすいのですが、過去の勤務先から証明してもらうときなどは、資料がないということも多く、また、証明してくれる会社が廃業しているケースもあります。このことが、建設業の許可申請が難しくなっている点でもあります。

必要な資料は、経験年数分を用意する必要があります。

必要な経験・地位と年数

これまでの経験 許可を受けようとする業種と同じ建設業で経営に携わっていた経験がある 許可を受けようとする業種とは異なる建設業で経営に携わっていた経験がある
そのときの地位 ・個人事業主
・法人の役員
・支店長や執行役員
個人事業主又は法人の取締役を補佐した経験 ・個人事業主
・法人の役員
必要な経験年数 5年以上 7年以上 7年以上

申請する業種の経営業務経験であれば5年以上、申請する業種以外の経営業務経験であれば7年以上の年数が必要になってきます。

  • 申請者が会社の場合、経管は役員の一人がなります。役員には、株式会社の取締役のほか、持分会社の業務執行社員、委員会設置会社の執行役または財団法人・社団法人等の理事があたります。
  • 複数の業種の許可を申請をする場合でも経管は一人で構いません。
  • 経管には、常勤性が求められます。複数の会社の取締役を兼任している場合には、注意が必要です。また、取締役の役員報酬として一定額(月額10万円が目安)を支給されていないと常勤と認められないことがあります。
  • 経管の経験として認められる「役員」には、監査役、会計参与、監事および事務局長等の役職は含めずに考えます。
  • 執行役員として経営業務を総合的に管理していた場合や建設業法上の営業所の支店長として届けられていた場合は、経営業務の管理の経験として認められるケースがあります。

経験を立証する資料

経験内容 立証する資料
個人事業主としての経験 ・確定申告書
・工事契約書、請書、注文書、請求書
会社役員としての経験 ・閉鎖事項証明書(閉鎖謄本)
・確定申告書、決算報告書、内訳書(役員報酬・人件費)
・工事契約書、請書、注文書、請求書
過去に経営業務の管理責任者として証明されたことがある場合 ・許可申請書又は変更届
・経営業務の管理責任者の証明書(様式第7号)
経営業務の管理瀬金車ではなかったが、過去に建設業許可を有する法人の役員だった場合 ・閉鎖事項証明書(閉鎖謄本)
・建設業許可通知書
・建設業許可申請書、変更届の表紙
・経営業務の管理責任者の証明書(様式第7号)
・決算変更届
建設業の許可業者の支店長等だった場合 ・建設業許可通知書
・建設業許可申請書、変更届の副本(表紙、営業所一覧表(別表)、令3条の使用人一覧表)
・決算変更届
執行役員の経験(5年以上) ・様式第7号の証明者の印鑑証明書
・組織図等の職制上の地位を証する資料
・業務分掌規定等の担当部門が建設業に関する事業を行っていたことを確認する資料
・確定申告書、決算報告書
・工事契約書、請書、注文書、請求書
・年金の被保険者記録照会回答票又は、雇用保険被保険者票(離職票)
補佐経験(7年以上) ・様式第7号の証明者の印鑑証明書
・確定申告書、決算報告書(収支内訳書)
・工事契約書、請書、注文書、請求書
【証明者が法人の場合】
・年金の被保険者記録照会回答票または雇用保険被保険者証(離職票)
・組織図等職制上の地位を確認する資料
  • 大阪府では、提示する資料は写しで構いません。
  • 上記の確定申告書や許可申請書の副本等の資料は、必要な経験年数分を揃えます。
  • 工事契約書等の工事の内容を確認する資料は1年以上の間隔をあけないものが必要です。
  • 証明者の印鑑証明書は申請前3ヶ月以内に発行されたものが必要です。
  • 大阪府での取り扱いを整理したものです。個別の事案によっては、別途追加資料を求められることがあります。
  • 他の行政庁においては取扱いが異なることがあります。また、個別の案件においても異なる取扱いの可能性があります。

【3】専任技術者

許可を受けようとする建設業の業種について、技術者として一定の知識や経験を有する者を営業所の専任(専任技術者)としておくことが求められています。

業種によって必要な知識・経験が異なり、有する資格や学歴・経験によって立証資料が変わります。資格に関しては免状や合格証書、学歴に関しては卒業証明書が立証資料になります。実務経験については工事契約書等および証明者の印鑑証明書などが必要となります。

一般建設業の専任技術者と特定建設業の専任技術者とで、求められる要件が異なりますので、ご注意ください。

【一般建設業における専任技術者の要件】

一般建設業における専任技術者は、下記のいずれかであることが必要です。

  1. 許可を受けようとする建設業の業種について、一定の国家資格(*1)をもつ者
  2. 許可を受けようとする建設業の業種について、中学もしくは高校で一定の学科(*2)を修めて卒業した後、5年以上の実務経験がある者
  3. 許可を受けようとする建設業の業種について、高等専門学校もしくは大学で一定の学科(*2)を修めて卒業した後、3年以上の実務経験がある者
  4. 許可を受けようとする建設業の業種について、旧実業学校卒業程度検定規程による検定で一定の学科(*2)に合格した後、5年以上の実務経験がある者
  5. 許可を受けようとする建設業の業種について、専門学校卒業程度検定規定による検定で一定の学科(*2)に合格した後、3年以上の実務経験がある者
  6. 許可を受けようとする建設業の業種について、10年以上の実務経験がある者
  7. 国土交通大臣が1~6に掲げる者と同等以上の知識および技術または技能をもつと認定した者。

*1 資格については、下記リンク先をご参照ください。

*2 学科については、指定学科について(専任技術者)のページをご参照ください。

【特定建設業の場合に加重される要件】

特定建設業の専任技術者の場合は、下記の資格・実務経験等が必要です。

  • 指定7業種(土木・建築・電気・管・鋼構造物 ・舗装・造園)の場合:施工管理技士などの1級資格者またはこれに類する者
  • それ以外の業種の場合:指導監督的実務経験(発注者から直接請け負い、その請負代金が4,500万円以上であるものに関して2年以上の工事実績)を有する者

学歴・資格を立証する資料

学歴・資格、経験 立証する資料
国家資格 免状や合格証等(原本)
学歴の場合 卒業証書(原本)
実務経験の場合 実務経験証明書(様式第9号)と下記のいずれか
工事契約書、注文書、請書、請求書等の工事内容(工事内容、請負金額、工事期間等)が確認できる資料

※工事契約書等の工事の内容を確認する資料は1年以上の間隔をあけないものが必要です。

以前にいた建設業者が建設業許可を有していた場合で、実務経験で専任技術者として証明されたことがある場合

 ・建設業許可申請書、変更届の表紙と実務経験証明書(様式第9号)※要受付印・受付ハガキ

以前にいた建設業者が建設業許可を有していた場合で、実務経験で専任技術者として証明されたことがない場合

 ・建設業許可申請書、変更届の表紙と実務経験証明書(様式第9号)※要受付印・受付ハガキ
 ・決算変更届の表紙と工事経歴書(様式第2号)※要受付印・受付ハガキ

実務経験の証明者が申請者と異なるときは、当時の在籍を確認できる下記のいずれかの書類

 ・(年金の)被保険者記録照会回答票
 ・雇用保険被保険者証(離職票)
 ・証明者の確定申告書と収支内訳書 ※証明者が個人事業主の場合
 ・証明者の印鑑証明書

  • 工事に関する資料や許可申請書・変更届・決算変更届は、証明しようとする経験期間の年数分を準備します。

【4】財産的基礎

建設業を継続的に営業できることを証明するために、最低限の財産的基礎が必要です。一般建設業と特定建設業で取り扱える工事規模が異なるため、下記のような違いがあります。判断基準となる時点と財務状況の基準が変わってきます。

【一般建設業の場合】

次のいずれかの基準に該当していることが必要です。

  1. 直前の決算において、自己資本の額が500万円以上であること。
  2. 預金残高証明書(残高日が申請日前4週間以内のもの)で、500万円以上の資金調達能力を証明できること。
  3. 許可申請直前の過去5年間、建設業許可を受けて、継続して営業した実績を有すること。

自己資本

  • 会社の場合:貸借対照表の純資産合計の額
  • 個人の場合:貸借対照表の(期首資本金+事業主借勘定+事業主利益)-(事業主貸勘定)+(負債の部の利益留保性の引当金+準備金)

【特定建設業の場合】

申請者が発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が8,000 万円以上のものを履行するに足りる財産的基礎があり、直前の決算期における財務諸表において、次のすべてに該当すること。

  1. 欠損の額資本金の額の20%を超えていない
  2. 流動比率 75%以上
  3. 資本金の額 2,000万円以上
  4. 自己資本の額 4,000万円以上

欠損の額

  • 会社の場合
    貸借対照表の繰越利益剰余金がマイナスでその額<(資本剰余金+利益準備金+任意積立金)
  • 個人の場合  
    貸借対照表の事業主損失>(事業主借勘定)-(事業主貸勘定)+(負債の部の利益留保性の引当金+準備金)

流動比率
(流動資産)÷(流動負債)(%)

資本金

  • 株式会社の場合、払込資本金
  • 持株会社の場合、出資金額
  • 個人の場合、期首資本金

自己資本(一般建設業の欄を参照)

資本金の増資による場合の取扱い
申請前直近の決算では資本金の額に関する基準(2,000万円)をみたさない場合でも、申請前に増資をして資本金の額の基準をみたすことができるのであれば、要件をみたすものとして取り扱われています。ただし、資本金の額以外の基準はみたしていることが必要です。

【5】営業所の要件

原則、以下のすべてに該当することが必要です。

  • 建設業の営業を行うべき事務所・場所を常時使用できる権原があること。
  • 建物の玄関や入口等において、申請者の商号や名称が確認できること。
  • 固定電話や事務機器・机等、什器備品を備えていること。
  • 許可業者の場合、営業所ごとに建設業の許可票(法第40条に基づく標識)を掲げていること。
  • 支店等の代表者が常勤しており、かつ契約締結等に関する権限を申請者から委任されていること。
  • 専任技術者が営業所に常勤して、もっぱらその職務に従事していること。
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